事例2:夫が家にいるのに、妻の負担が増えた「定年後クライシス」
62歳の美和さん(仮名)は、66歳の夫が退職してからドッと体調を崩しました。更年期症状が治まったばかりなのに、けだるくて疲れやすく、何だか体調が優れません。きっと夫があれやこれや追い詰めるからだと思いました。
夫は悪気なく言います。
「昼、そうめんでいいよね?」
「そうめん“でいい”って言うけど、作るの私だよね」
夫は家にいる時間が増え、細かい注文も増えました。手伝うと言うけれど、中途半端なやり方。
さらに「美和は毎日、家にいるんだから、リビングもっときれいにしろよ。グリーン買ってきてよ。飾ろうよ」と言い出しました。
美和さんは爆発します。
「私、家でイラスト描く在宅仕事しているのよ! あんただって家にいるじゃない。掃除機をかけなさいよ! 自分で盆栽でも買えばいいのよ」
このケースは、夫が“家を自分仕様にしたがる”一方で、妻側は“ただ家の仕事が増えただけ”になってしまっています。これでは、妻は「一人がラク」だと感じるのも無理はありません。
熟年離婚の危機にある夫婦が、今からできる改善のコツ
大げさなことをする必要はありません。ポイントは「小さく、具体的に」です。
(1)まずは週1回、1つのテーマについて30分だけ話す
いきなり長時間の会話をするのは難しいものです。例えば「今週しんどかったことを1つ」「来週どう改善するかを1つ」だけでOKです。
(2)家のことを“見える化”して分ける
料理や掃除、洗濯、買い物、ゴミ出し、病院予約、親戚付き合いなど、やることを紙やパソコンなどに書き出してみましょう。「手伝う」感覚ではなく「担当」を決めると、イライラが減ります。
(3)2人きりの“1週間の過ごし方”をすり合わせる
ずっと一緒にいる必要はありません。「夫の一人時間」「妻の一人時間」「夫婦で一緒にする時間」を先に決めておくと、息ができます。
(4)お金は“月1回の確認”にする
難しい投資の話ではなく、「今の貯金」「年金の見込み」「毎月の固定費」というこの3つを共有するだけでも、不安が減ります。
(5)うまく話せないなら、第三者を入れる
夫婦だけで話すとけんかになる場合、カウンセラー、自治体の相談窓口、FP(家計相談)、弁護士(初回無料)など、間に人を入れると進みます。友人はおすすめしません。専門家ではないから、感情が入ります。
「離婚するため」ではなく「冷静に話すため」に外部サポーターはどんどん頼りましょう。
