猫が迷惑する「やりすぎお世話」5選
わざと迷惑をかけるために、猫のお世話をする飼い主はいません。一方、その愛情や清潔さを優先し過ぎて、必要ないことまでやってしまうケースは考えられます。
やり過ぎになりがちな猫のお世話を見ていきましょう。
1.鳴くだけで食べ物を与えてしまう
猫は鳴いて何かを訴えているだけなのに、飼い主が「お腹が空いたの?」と安易に食べ物を与えていると、猫はよほど満腹でない限りは食べようとしてしまいます。猫は出されたから食べているだけで、もともと訴えていた「遊びたい」「かまって」などの要求は満たされていません。
飼い主が猫の訴える要求に合わない対応をくり返すと、猫の鳴き声が強くなることもあります。そこへ、さらに飼い主が食べ物を与えてしまうという悪循環に陥りやすくなるのです。
この小さなすれ違いが重なると、問題行動を起こすようになったり、肥満による糖尿病など健康を害したりするリスクが高まります。
2.過剰で強引なスキンシップ
猫が飼い主に触れられたいタイミングや時間には、それぞれ個体差があります。甘えん坊でいつも飼い主とベッタリしたい猫もいれば、あくまでも必要なときだけ関わってほしいタイプで、ふだんはそっとしておいてほしい猫もいます。
猫が望んでいないのに無理に抱き上げたり、寝ているところをなで続けたりすると、猫は愛情どころか強いストレスを感じるでしょう。
嫌なときに威嚇や攻撃で意思表示できる猫もいますが、人に反抗しないタイプの猫は、ガマンを続けた結果、粗相や引きこもりなどの問題行動を起こすことがあります。
3.ブラッシングのしすぎ
猫には、春と秋に被毛が大量に生え替わる換毛期があります。換毛期には、短毛種であっても適度なブラッシングをすることで抜け毛の処理に役立ちます。
なお、換毛期に限らず猫の毛は年間を通じて生え替わるため、定期的なブラッシングは一年中欠かせません。ただし、抜け毛のすべてを取り除こうとゴシゴシやりすぎると、皮膚への摩擦が増え、炎症や脱毛を引き起こすことがあります。
また、猫が嫌がっているのに続けると、ブラシ自体を嫌いになり、必要なときに触らせてもらえなくなることもあります。適切なブラシを選び、1回5分程度を目安にやさしく行いましょう。
4.高頻度の入浴やシャンプー
衛生面などを考えると猫をシャンプーしたくなりますが、あまりに頻繁に洗うと被毛や皮膚表面を守る皮脂が必要以上に落ちてしまいます。バリアを失った皮膚は乾燥し、かゆみやフケ、皮膚炎を引き起こすことがあります。
また、多くの猫は、全身が濡れることを嫌がります。シャンプーがストレスになりやすく、お風呂場を嫌いになるだけでなく、飼い主への不信感や警戒心にもつながりかねません。最終的には、必要なお世話さえできなくなる可能性もあります。
よほどの汚れでない限りは、猫の毛づくろいにまかせるかペット用ウェットシートで拭くだけで十分なのです。
5.トイレのあとにおしりを拭く
もともと猫は排泄後には、自分でおしりを舐めてきれいにします。しかし、中には、その習性自体に抵抗感がある人もいるでしょう。
排泄のたびにおしりを拭くのは、猫にとってかなり不快な行為で激しく嫌がるのはもちろん、過度な拭き取りによって肛門周辺の柔らかい皮膚が傷ついて、かぶれや炎症につながる場合もあります。
一時的な下痢や、肥満・高齢・ケガなどで猫が自分でグルーミングできないときは、ゴシゴシこすらず「押さえて離す」要領で清潔を保ちましょう。また、肛門周りの毛をあらかじめ短くカットしておくと、汚れが付きにくくなります。
猫にとって適切なお世話とは?
猫の飼い主にはお世話をする責任がありますが、かといって、過剰にお世話をすれば猫が喜ぶわけではありません。「たくさんかわいがりたい」「もっと快適にしてあげたい」という気持ちは、やり方を誤ると逆に猫の負担になってしまうことがあるのです。
猫にとって大切なのは、「必要なとき」に「必要なお世話」をしてもらえることです。愛情のつもりでも、猫の気持ちを考えずやり過ぎてしまえば、かえってマイナスになってしまうのです。
また、飼い主がする猫のお世話は、常に猫にとって有益であることが必要です。空腹時におやつを食べるのは猫にとっては楽しみとして有益ですが、必要以上の量を与えたり、毎日それを繰り返したりすれば、長い目で見て害になってしまうからです。
一方、猫が嫌がったとしても、爪切りや歯磨きは健康維持に欠かせないケアです。猫の適切なお世話とは、飼い主の満足ではなく、猫の健康維持に必要な管理をすることなのです。

