昔勤めていた出版社で、会食の席に同席した上司から、思いがけない言葉をかけられたことがあります。周囲からは「温和で部下思い」と見られていた人でしたが、その場で向けられたひと言は、私の心に深く残るものでした。
温和だと思っていた上司との会食
ある日、職場の上司と会食をする機会がありました。その上司は普段、周囲から「温和で部下思いな人」と見られていました。私自身も、少なくとも表向きは穏やかな人だという印象を持っていました。
ところがその席で、上司は突然、私に向かって思いがけないことを言い始めました。
突然向けられた「完全に孤独だ」という言葉
何が気に入らなかったのか、今でもはっきりとはわかりません。上司は急に、「世の中では、人は誰もが孤独だと言われるけれど、あなたの場合は親が亡くなったら本当に孤独だよね」と言いました。
さらに、「きょうだいもいないし、夫もいない。たった一人。僕たちは家族がいるから全然違う。あなたは完全に孤独だ」と続けたのです。楽しいはずの会食の席で、なぜわざわざそんなことを言うのだろう。私は驚きながらも、すぐには言葉を返せませんでした。
その言葉は、単なる失言というより、相手が一番言われたくないであろう部分をわかっていて、あえて突いてきたように感じられました。

