俳優の仲野太賀が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合など)の第23回が14日、放送され、竹中半兵衛(菅田将暉)が天国へと旅立った。この日のサブタイトルは「さらば! 官兵衛」で、多くの視聴者が官兵衛の“退場”を予感していたが、初登場時から病弱であることが示され、早世を予感させつつも個性的なキャラクターでファンを魅了してきた天才軍師の死は大きな衝撃を与えた。SNSには「さらばしたくなかった」「史実なんてどうでもいいから生存ルートを」など声が寄せられ、視聴者の声で早くも「半兵衛ロス」が広がっている。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる兄・秀吉(池松壮亮)を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
45分間にわたる「菅田将暉劇場」
半兵衛は秀吉の優秀な軍師。病弱で人見知り、歯に衣着せぬ率直な物言いから周囲と衝突することも少なくないが、無類の戦好きが高じた知略を駆使して秀吉の戦を幾度も成功に導き、窮地から救ってきた。菅田の芝居も好評で、その存在感は初登場時から際立っていた。
この日の放送で、西国の毛利輝元(濱正悟)と勢力争いを続ける織田信長(小栗旬)が、毛利に寝返った有岡城の荒木村重(トータス松本)のもとへ明智光秀(要潤)を派遣し、弁明すれば許すと伝えた。しかし、村重はこれを拒否。村重と親交の深い小寺官兵衛尉孝高(倉悠貴)が説得に名乗りを上げると、半兵衛は村重を裏切り者として討ち取り、見せしめにすべきだと主張し、官兵衛と激しく対立した。自らの落ち度だと訴える官兵衛を強く制止するなか、半兵衛は突然苦しみだし、その場に倒れ込んだ。
その隙に官兵衛は単身で有岡城へ乗り込み、村重の謀反は毛利の罠にはめられたためではないかとし、信長と話し合うよう勧める。村重は、罠にはまるような者を信長が助けるはずがないと返答。さらに官兵衛に「で…お主はいつ、織田に手の平を返すんじゃ? 顔を見たらわかる…。わしはそうやってこれまで生き延びてきたからのう」と迫り、高山右近(市川知宏)に対し、官兵衛を人質として生かし、自分に寝返ったという噂を広めるよう命じた。
数日後、信長から秀吉(池松壮亮)宛てに書状が届く。そこには、官兵衛に裏切りの嫌疑がかかったため、嫡男・松寿丸(森優理斗)を処刑せよと記されていた。半兵衛は、病死した子を身代わりにして松寿丸を救う策を提案し、自ら長浜城へ向かうと申し出る。死期を悟っていた半兵衛は、偽装が発覚した場合は「どうせ消えゆく身、これほど都合のよいことはござらぬ」と、自らが責めを負う覚悟を示した。しかし小一郎は、半兵衛が羽柴家を守るため、本当に松寿丸を手にかけるつもりではないかと疑念を抱く。
長浜城では、事情を察した寧々(浜辺美波)らが「松寿丸がいなくなった」と芝居を打ち、罠を仕掛けて時間を稼ぐ。だが、半兵衛の家臣が松寿丸を確保。その時、小一郎の妻・慶(吉岡里帆)が産気づき、両者はやむなく“休戦”することになった。無事に女の子が生まれると、小一郎は半兵衛に娘を抱いてほしいと頼む。おそるおそる赤子を抱いた半兵衛は大粒の涙を流すほど感動し、考えを改めて替え玉作戦を実行。菩提山城へ匿うことになった松寿丸について、「いずれその時が来たら…あとのことは頼みまする」と小一郎に遺言を託した。
信長に首桶を届けた半兵衛は、「これまで戦ったなかで最も手ごわき相手でござった。そして最も面白き戦でございました」と満足そうな表情を浮かべ、「これでお別れでござりまする。天下一統のお役に立てず申し訳ござりませんでした」と深々と頭を下げた。
それからしばらくして、半兵衛は三木城攻めの陣中で病床に伏していた。「私も、戦場へ出とうござる。…私が風向きを変えてみせまする」と懇願する半兵衛を、秀吉と小一郎たちは前線を一望できる高台へ連れていく。満開の桜の下、毛利方に押され気味の戦況を見守るなか、半兵衛は扇子を掲げて「風が変わりまする…」とつぶやいた。その言葉どおり、毛利軍が撤退を開始した。播磨攻めの過程で、半兵衛の発案により手に入れた生野銀山の大量の銀を使って宇喜多直家を調略していたためで、直家が織田方へ寝返ったことで、毛利輝元は守りを固めざるを得なくなり、三木城への支援を打ち切った。
半兵衛の策による形勢逆転に小一郎たちは歓喜。桜の花びらが舞い散るなか、半兵衛は「死にとうない。まだ死にとうないのう…お前らのせいじゃぞ」とつぶやき、静かに息を引き取った。小一郎は亡骸を抱いて慟哭し、「見事な策でござった」とたたえた。秀吉もまた、「そなたの吹かせた風は、決して無駄にはせぬ」と誓った。
豪華俳優陣が集結した本作のなかでも、初登場時から異彩を放ってきた菅田将暉。この日、ついに迎えた“ファイナル”は、まさに45分間にわたる「菅田将暉劇場」だった。圧巻の芝居は多くの大河ファンの涙を誘い、SNSには
「産まれた命の重さ、半兵衛の号泣…これこっちまでつられてしまう…」
「半兵衛(号泣)さらばしたくなかった。そして…美しかった」
「もう涙が止まらない」
といったコメントが殺到。
「竹中半兵衛(菅田将暉さん)ロス」
「史実なんてどうでもいいから半兵衛生存ルートくれよぉぉぉ」
などの声も多く、多くの視聴者が半兵衛の退場を惜しんだ。
菅田の迫真の芝居をたたえるドラマファンも目立ち、
「すごいな菅田将暉の減量」
「微妙に白目が見えてるぐらいの閉じ具合が本当に死んでる感があってうまい」
という反応もあった。

