膵臓がんの原因はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が膵臓がんの概要と原因について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がんの検査方法」はご存知ですか?検査費用や原因についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
膵臓がんとは?
膵臓がんとは膵臓にできるがんのことで、「膵がん」と呼ばれることもあります。日本における膵臓がんの罹患者数・死亡者数はともに増加傾向にあり、2019年ではがんによる死亡原因第4位になったことが発表されました。
小さい間から膵臓の周りの臓器・リンパ節などに転移しやすいため、見つかった時にはお腹全体に散らばっていることもあります。がんの中では進行が速いうえに、見つけにくいといえるでしょう。
膵臓がんの原因
膵臓がんの原因で倍率が高いのは、遺伝性です。遺伝性の原因で高いものでは50倍を超えているので、血縁者で膵臓がん・遺伝性膵炎などに罹患したことがある場合はこまめな定期健診をおすすめします。それ以外の原因としては、主に下記の3つがあげられるでしょう。
・喫煙
・糖尿病
・慢性膵炎
それぞれの原因について解説するので、参考にしてください。
喫煙
嗜好品の中でがんの原因としてあげられる代表的なものといえば、喫煙・飲酒でしょう。この2つの中でも膵臓癌の場合、喫煙は明らかな危険因子とされています。喫煙をまったくしない人に比べて喫煙をする人は発症率が1.68倍高くなるとされていますが、これは最低の数値です。喫煙本数・年数によって確率は高くなります。
ただし、禁煙をすると10年程度で膵臓がんの罹患リスク率は健康な人と同じくらいまで下がるといわれているので、禁煙をしたほうが良いでしょう。
糖尿病
糖尿病に罹患している人は、健康な人に比べて膵臓がんの発症リスクが1.94倍高くなるとされています。発症リスクが高くなるのは、糖尿病に罹患している人の血中にインスリン抵抗性が存在するからです。血中にインスリン抵抗性があると、体は血糖を下げるためにインスリン濃度を高めます。
インスリンには血糖を下げるほかに細胞を増殖させる作用があり、この作用が膵臓がんの発症リスクを高めているのです。インスリンが膵臓がんの細胞も増殖させてしまうため、小さな膵臓がんが引き金となる傾向が多くみられます。糖尿病に罹患している場合は、膵臓がんの検査も受けるようにしましょう。
慢性膵炎
慢性膵炎も、膵臓がんの原因になるといわれています。慢性膵炎に罹患している場合の発症リスクは健康な人の13.3倍です。喫煙・糖尿病よりもリスク倍率は高くなっています。膵炎に罹患している場合は、定期的に膵臓がんの検査も受けたほうが良いでしょう。

