甲斐駒ヶ岳から流れる天然の沢の冷たい水風呂

「湧火」の場所は、南アルプス・甲斐駒ヶ岳(標高2,967m)の麓、半径500mに人のいない私有地。薪をくべる100℃超のサウナと、敷地を流れる天然の沢の水風呂で構成される。
沢の水温は夏におよそ12℃、冬には8℃まで下がる。水底が見えるほど澄んだ水が、花崗岩の山が長い時間をかけてつくった冷たさを運ぶ。
大自然の中で外気浴できる、これから育てる場所

「湧火」は、完成された施設ではない。原野に火を入れて沢に身を浸し、道や棚を少しずつ手で整えながら、これから育てていく場所だという。
現在は招待制で運営しており、最初に迎える数名を、火守(ひもり)と呼ぶ。火の番をし、この土地に通う人、という意味だ。登録した人には所定の審査があり、「場所と料金を外に明かさないこと」「火と水と人への礼を守ること」を確かめ、審査を経た人だけが、火守としてここに通えるようになる。

サウナ内部
「湧火」という名前は、湧き出る水の「湧」、薪の炎を指す「火」からできている。本来打ち消し合うはずの水と火が、訪れた人の体の上で出会う一瞬を名前にしたという。

なお、フィンランドにサウナ外交という言葉があるように、「湧火」は接待や法人での利用も受け入れている。

半径500mに人のいない土地のため、聞かれたくない話を、聞かれない場所で交わす場所にもなるという。法人での利用には、敷地全体の貸切で応えるとのことだ。
