夜中に何度もトイレに起きてしまい、睡眠不足や日中の疲れを感じている――。こんな悩みを抱えつつも「年齢のせいだから」と放置していませんか。山梨大学の研究員らは、全国オンライン調査データをもとに、日本人の夜間頻尿と健康状態との関係を調査しました。その結果、夜間頻尿は年齢とともに増えるだけでなく、高血圧や不眠症、体の機能低下などとも関連していることが明らかになりました。この内容について村上先生に伺いました。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
研究グループが発表した内容とは?
編集部
山梨大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
村上先生
山梨大学の研究員らは、全国オンライン調査「JaCS2023」のデータをもとに、20〜99歳の男女6210人を対象に夜間頻尿の有無や生活習慣、健康状態との関係を分析した結果、さまざまな因子と関連していることが分かりました。
まず、夜間頻尿は年齢が高くなるほど多くみられました。
40歳以上では男性の31.4%、女性の19.9%、60歳以上ではそれぞれ39.8%、24.7%に夜間頻尿がみられ、80歳以上ではさらに割合が高くなりました。
さらに高血圧、不眠症、日常生活での活動低下、男性では前立腺肥大症や男性機能の低下など、年齢以外の複数要因も夜間頻尿との関係が示されました。
この結果から、夜間頻尿は単なる加齢による変化だけではなく、生活習慣や体の状態とも深く関係している可能性が考えられます。睡眠の質や血圧管理、日頃の運動習慣など、日常生活を整えることが症状の改善や健康維持につながる可能性があります。
夜間頻尿の治療法について
編集部
夜間頻尿の治療法について教えてください。
村上先生
原因に応じて行うことが大切です。夜間に尿量が増える「夜間多尿」の場合は、糖尿病、高血圧、心疾患、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群など、原因となる病気の治療が基本となります。また、寝る前や夜間に水分を摂りすぎることで症状が悪化する場合もあるため、必要以上の水分摂取は控えることが重要です。近年では、夜間の尿量を抑える薬が使われることもあります。
膀胱の容量が少なくなっている場合は、過活動膀胱や前立腺肥大症などの原因に応じて薬物治療を行います。
睡眠の問題(不眠症)が関係している場合は、睡眠薬を服用するほか、寝室の環境を整えたり生活リズムを見直したりすることも大切です。夜間頻尿が続く場合は、原因を確認するためにも医療機関に相談し、適切な治療につなげましょう。

