夫は昔から、頼まれると断れないタイプ。困っている人を放っておけないやさしさがある反面、そのせいで家族との予定が急になくなってしまうことも少なくありませんでした。最初は「仕事だから仕方ない」と思っていました。けれど、子どもとの大切な約束の日にキャンセルになった際、私はつい不満をぶつけてしまったのです。
「ごめん、明日仕事になった」
わが家にはまだ小さな子どもがいますが、夫は普段から仕事で忙しくしています。休日出勤や出張も多く、せっかく立てた予定が急になくなることも珍しくありませんでした。
それでも私は、「仕事だから仕方ない」と自分に言い聞かせていたのです。
そんなある日、夫は子どもと遊園地へ行く約束をしていました。子どもは数日前からずっと楽しみにしていて、「早く行きたいね!」と毎日のように話していたほどです。
ところが前日の夜、夫は電話を終えると気まずそうな顔でこう言いました。
「ごめん、明日仕事になった」と。
その瞬間、子どもは大号泣。「何とかならないの?」と聞くと、夫は「代わるって言っちゃったから、今さら断れない」と困ったように答えたのです。
急な出勤の理由を知って…
詳しく話を聞くと、夫の急な出勤の多くは、同僚の勤務を代わっていることが理由でした。体調不良や家庭の事情で困っている人から頼まれると、夫はつい引き受けてしまうのだそうです。
もちろん、困っている人を助けたい気持ちはわかります。実際、夫は昔からやさしくて面倒見のいい性格でした。
でも、私はどうしても複雑な気持ちになってしまいました。なぜなら、わが家にも小さな子どもがいるからです。
私が体調を崩したときや、どうしても家族を優先してほしいときでも、夫は「仕事だから無理」と言ってきました。それなのに、同僚から頼まれると二つ返事で勤務を代わってしまう――。
子どもとの約束をキャンセルしてまで引き受ける姿を見て、私は「家族より会社を優先しているみたい」と複雑な気持ちになってしまったのです。

