60代になり、定年後の暮らしが少しずつ現実味を帯びてきたころ、私はこれからの人生に漠然とした不安を感じていました。長年、会社員として仕事中心の日々を過ごしてきたため、いざ仕事を離れたら自分には何が残るのだろうと思うようになったのです。そんな私の気持ちを変えるきっかけになったのは、妻の何げないひと言でした。
定年後を考えるほど不安が膨らんで
私は60代になり、定年が近づいてくるにつれて、これからの人生について考えることが増えました。長年会社員として働いてきましたが、毎日は仕事中心。趣味らしい趣味もなく、休日も特別に打ち込めるものがあるわけではありませんでした。
「このまま仕事を終えたら、自分には何が残るのだろう」。そう考えるたびに、心の中に不安が広がっていきました。
妻のひと言で市民農園を借りることに
そんなとき、妻が「前からやりたがっていた畑仕事を始めてみたらどうですか」と声をかけてくれました。
以前から畑仕事に興味はあったものの、年齢を考えると体力的に続けられるのかという不安もありました。それでも、何もしないまま悩み続けるよりはよいと思い、思い切って市民農園を借りてみることにしました。
最初はわからないことばかりでしたが、土に触れ、季節の野菜を育てていくうちに、少しずつ毎日に張り合いが生まれました。

