子どもの肌トラブルとして多くみられるアトピー性皮膚炎。「小児科と皮膚科、どちらを受診すればよいのか」と迷う保護者も少なくありません。そこで、子どものアトピー性皮膚炎の基本から受診の考え方まで、流山鶴町皮膚科・小児科クリニックで皮膚科を担当している鶴町宗大先生に聞きました。
※2025年10月取材。

監修医師:
鶴町 宗大(流山鶴町皮膚科・小児科クリニック)
2016年に獨協医科大学医学部を卒業後、日本医科大学付属病院にて初期研修を修了。順天堂大学浦安病院皮膚科、順天堂大学大学院医学博士課程を経て2023年よりつくば・土浦鶴町皮膚科クリニック副院長、順天堂大学皮膚科非常勤助教を務める。2025年より流山鶴町皮膚科・小児科クリニックにて皮膚科を担当。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本皮膚科学会認定美容皮膚科・レーザー指導専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医、医学博士。
年齢で違う? アトピー性皮膚炎の特徴
編集部
アトピー性皮膚炎とはどのような病気ですか?
鶴町先生
皮膚のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなることで炎症やかゆみを繰り返す慢性的な皮膚疾患です。体質的な要因に加え、乾燥や環境因子などが関係すると考えられています。よくなったり悪くなったりを繰り返しながら長期的に経過するのが特徴です。
編集部
どういった症状が出るのですか?
鶴町先生
年齢によって異なります。乳児期は顔や頭に湿疹が出やすく、ジュクジュクとした状態になることもありますが、幼児期以降は首や肘、膝の内側などに乾燥した湿疹がみられやすくなります。学童期以降は皮膚が厚く硬くなるなど慢性的な変化もみられ、年齢ごとに症状の特徴が異なります。
編集部
原因も年齢によって変わるのでしょうか?
鶴町先生
乳児期は皮膚のバリア機能が未熟で、乾燥やよだれなどの刺激、場合によっては食物アレルギーが関与することがあります。幼児期以降は、ダニやハウスダスト、汗、乾燥、衣類の刺激などの環境因子が悪化に関わることが多くなります。さらに学童期以降では、これらに加えて睡眠不足やストレス、生活リズムの乱れなども悪化原因となることがあります。このように、年齢によって関係する要因が変化するため、それぞれの時期に応じたスキンケア、外用治療、環境調整が大切です。
編集部
「かかないほうがよい」と言われるのはなぜですか?
鶴町先生
皮膚のバリア機能が低下して刺激を受けやすくなっているため、かくことで皮膚がさらに傷つき、炎症が悪化するという悪循環に陥ってしまうからです。この悪循環を断ち切ることが治療の重要なポイントになります。
小児科?皮膚科?どちらを受診するべき?
編集部
子どものアトピー性皮膚炎が自然によくなることはありますか?
鶴町先生
成長とともに軽快するケースもありますが、適切な治療やスキンケアを行わないと悪化や慢性化につながることも多くあります。放置せず、医療機関に相談し正しい対応をすることが皮膚状態の安定につながります。
編集部
受診の目安はありますか?
鶴町先生
「あれ?」と思った時点で相談してもらうのがよいですが、特にかゆみが強く生活に影響している場合や、湿疹が広がる、長引く、繰り返すといった場合は早めの受診をおすすめします。ひどくなる前に状態を確認し、適切な対応を行うことが重要です。
編集部
小児科と皮膚科、どちらを受診すればよいのでしょうか?
鶴町先生
クリニックの体制や診療内容によって異なりますが、基本的には小児科でも皮膚科でもどちらでも相談可能です。小児科は全身状態やアレルギー全体を含めて評価する診療科で、皮膚科は皮膚症状を専門的に診て外用治療やスキンケア指導を行う診療科です。どちらも役割が異なり、それぞれの視点から診療が行われます。

