犬に悪影響を与える『待て』

食べものを前に『待て』をする
『待て』のコマンドを使うタイミングとして多いのが、ごはんやおやつといった食べものをあげるときではないでしょうか。
大好きな食べものを前にして『待て』ができれば完璧!と思っているかもしれませんが、その『待て』は実は純粋な『待て』ではありません。
ごはんを前にする『待て』はいわゆる『オアズケ』です。『オアズケ』は犬にとっては「動いたら食べられないから待つ」という学習にしかならず、本当に必要なときに『待て』ができるようになることには繋がりません。
不必要に長い『待て』
SNSやテレビで、おやつを前によだれを垂らしながらも飼い主さんの指示に従って『待て』をしている犬の動画を見かけることがあります。上記の『オアズケ』状態の『待て』でさらにやりがちなのが、健気に指示に従って待っている愛犬の姿が可愛くて、ついついイタズラ心が出て待たせすぎてしまうパターンです。
ですが不必要に長い『待て』は犬にとって多大なストレスを与えるだけでなく、愛犬の飼い主さんに対する信頼を失わせるきっかけにもなりかねません。愛情からくるものであったとしても、からかいすぎは禁物です。
動いてしまったときに過度に叱る
『待て』は必須なしつけではあるものの、覚えさせるのは簡単ではありません。そのためトレーニングを初めてすぐの頃はコマンドを与えても動いてしまうことが多いですが、そのときに「ダメ!」「待ってでしょ!」と大声で叱るのはNGです。
『待て』のしつけで教えるべきは「待てたら良い」ことであり、「待てなかったら悪い」ことではありません。指示に従えたら大袈裟なほど誉めるべきですが、できなかったときに過剰に叱るのは愛犬に恐怖を与えるだけです。
正しい『待て』のしつけ方

まずは『おすわり』から
『待て』のコマンドを教える目的は犬を落ち着かせること、また、犬の周囲に危険がある状況のときに安全な場所で待機させることにあります。
そのためにも落ち着いた姿勢で始めることが重要であるため、『待て』のコマンドを与えるときには『おすわり』『伏せ』から始めます。『伏せ』はハードルが高いため、まずは『おすわり』をマスターさせることから取り組みましょう。
『おすわり』を継続できたら誉める
『おすわり』の指示に従えたら愛犬を誉めますが、『おすわり』をしたらすぐに誉めるのではなく数秒経過したら誉めるというふうにタイミングを変えていきます。これを繰り返すことで自然と『おすわり』を継続できるようになります。
『待て』と声をかけて時間と距離を伸ばす
その場で少し待てるようになったら、次は時間を伸ばすのではなく、飼い主さんが離れても待てるかという「距離への耐久テスト」を行います。
「待て」をかけたら、まずは後ろに1歩だけ下がってみる
動かずに待てたら、すぐに元の位置に戻って大げさに褒める
成功したら、次は2歩、3歩と「離れる距離」をじわじわ伸ばす
お散歩中、もしも突発的なハプニングでリードを離してしまったとき、はるか遠くからでも声だけで愛犬をその場にストップさせ、車や自転車の危険から命を守るためには、この「離れても動かない練習」が何よりの武器になります。

