菅野美穂、クラシックとモダンの邂逅。【Miho Kanno IN KYOTO】後編
菅野美穂さんと訪れたのは、木々が色づくほんの少し前の京都。観光客で賑わうエリアから西に外れた静かな古刹「妙心寺 退蔵院」を特別にお借りし、撮影を行いました。纏うのはエルメスやヴァレンティノ、フェンディなど、メゾンブランドの秋冬コレクション。和と洋、クラシックとモダン……相反する世界観が不思議と調和する、スペシャルなカバーストーリーをお届けします。デビュー30年の節目を迎えた俳優・菅野美穂さん。40代を折り返した今も清々しいほどの真面目さをたずさえて新たな挑戦に向かっている最中。
今季のヴァレンティノを象徴する「ブラックタイ」があしらわれたミニドレス。菅野さんが着こなすのは、真っ白な襟とカフス、裾のフリルが可憐な1着。ドレス¥594,000(ヴァレンティノ)、タイ¥60,500、イヤーカフ上¥53,900、イヤーカフ下¥37,400(全てヴァレンティノ ガラヴァーニ/全てヴァレンティノ インフォメーションデスク)
得難い出会いに感謝。難役でも迷わなかった
—現在、主演ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』が放送中です。突然、夫の介護が始まり、夫の彼氏や彼女、隠し子の発覚など、人生における試練やトラブルが一度に降りかかる難しい役ですが、オファーが来たときの心境は?
「実は迷うことなくお受けしました。まだちょっと子どもが小さいというのもあって、以前に比べて携われる作品がすごく少なくなった中で、これだけやりがいのある作品でお話をいただけたのが光栄なことですし、得難い機会。脚本が橋部敦子さんであることも大きかったです。これまで橋部さんの脚本に何度も感動して涙してきたので、今回ご一緒できることが本当に嬉しかった。三田佳子さんと共演できることも夢のようです。芸能界に入る前に、三田さんの映画『遠き落日』を観に行って、子ども心に母の愛にすごく感動したのを覚えています。『三田さんと私が共演できるの!?』と、ちょうど聞いたときに焼肉屋さんにいたんですけど、火加減が命のネギタン塩を焦がすほどびっくりしました。逆に今になって、私ちゃんと演じられているかな? と心配になっています」
—演じているゆりあ先生について、菅野さんの心に響いた部分は?
「損得ではなく、どこか人に対して寛容なところはすごいなと思います。真面目過ぎて全てのトラブルをたったひとりで背負いにいく愚直さもありながら、夫以外の男性に心が惹かれてしまう。ゆりあ先生を応援したくなるのは、決して完璧ではなく、そういった矛盾を抱えているから。頭だけでも演じられないし、心だけでも演じられない役であり、私にとっても挑戦なんだなと思っています。改めて感じたのは、真面目さって狂気でもあるなということ。“こうあるべき”という真面目さは、気づかないうちに自分を壊してしまうかもしれない危うさがあって、真面目=正義だと思うほど苦しさや辛さを飲み込んでしまいがち。自分が壊れる前に違う選択をすることは逃げでも間違いでもないので、ゆりあさんの生きる姿が何か考えるヒントやきっかけになったら嬉しいですね」
ジャケット¥438,900、シャツ¥181,500、パンツ¥218,900、シューズ¥207,900(全てザ・ロウ/ザ・ロウ・ジャパン)、パールネックレス¥990,000、ロングネックレス¥682,000、ダブルフィンガーリング¥792,000(全てTASAKI)

