「サラダチキン」に潜む“ある添加物”とは? 腎臓負担を防ぐ『適正量』と正しい取り方

「サラダチキン」に潜む“ある添加物”とは? 腎臓負担を防ぐ『適正量』と正しい取り方

サラダチキンは加工食品であるため、保存性や風味を高める目的でさまざまな食品添加物が使用されることがあります。pH調整剤や保存料、増粘剤、調味料(アミノ酸等)などが代表的です。慢性腎臓病の方には、リン酸塩を含む添加物への注意も求められます。添加物の役割と安全性の考え方、製品選びのポイントについてご紹介します。

田中 茂

監修医師:
田中 茂(医師)

2002年鹿児島大学医学部医学科卒業 現在は腎臓専門医/透析専門医として本村内科医院で地域医療に従事している。
専門は内科学・腎臓内科・血液透析・腹膜透析・臨床疫学・生物統計学

サラダチキンに含まれる主な添加物の種類

サラダチキンは加工食品であるため、製造過程でさまざまな食品添加物が使用されることがあります。添加物の種類や役割を理解しておくことは、食品を選ぶうえで大切な知識となります。

保存料・pH調整剤の役割と種類

サラダチキンに使用される添加物の中で、特に目にすることが多いのが「pH調整剤」です。pH調整剤は、食品の酸性やアルカリ性のバランスを調整することで、微生物の繁殖を抑制し、食品の保存性を高める役割を担っています。具体的には、クエン酸や酢酸ナトリウムなどが用いられることがあります。

「保存料」は、カビや細菌の増殖を防ぐために使用される添加物です。ソルビン酸やソルビン酸カリウムが一例として挙げられます。食品衛生法の基準に沿って使用量が定められており、その範囲内であれば安全性は確認されています。

ただし、複数の添加物を含む食品を毎日大量に摂取した場合の影響については、引き続き研究が続けられています。一種類の食品に依存した食生活を避け、バランスよく食べることが基本的な対策となります。

増粘剤・乳化剤・調味料(アミノ酸等)の働き

増粘剤は、食品にとろみや食感を加えるために使用される添加物です。キサンタンガムやカラギナンなどが代表的な増粘剤として知られています。一般的には安全性が高いとされていますが、消化器系が敏感な方はまれに腸の不調を感じる場合があります。

「調味料(アミノ酸等)」として表示されるグルタミン酸ナトリウム(うま味調味料)は、食品のうま味を増強するために広く使用されています。通常の量での摂取は問題ないとされていますが、ナトリウムを含むため、塩分摂取量の一部として考慮する必要があります。

原材料表示に記載されている添加物の名称を確認することで、自分が摂取している成分をある程度把握することができます。購入前に原材料欄をチェックする習慣をつけることが、食品選択の一助となります。

特に注意すべきリン酸塩添加物

加工肉では、食感や結着性、保水性を保つ目的でリン酸塩が添加されることがあります。食品添加物として使われるリン酸塩は無機リンであり、通常の食品中に含まれる有機リンよりも吸収されやすいとされています。そのため、慢性腎臓病が進行している方や透析患者では、加工食品由来のリンが血清リン値の上昇やリン負荷の一因となることがあります。

高リン血症が続くと、骨代謝異常や血管石灰化に関係するため、食事中のリン摂取量に注意が必要です。原材料表示では「リン酸塩(Na、Kなど)」の記載が参考になります。ただし、「pH調整剤」にはリンを含まない添加物も含まれるため、表示だけでリン含有量を正確に判断することはできません。CKDや透析中の方は、加工肉やインスタント食品に偏らず、血清リン値、栄養状態、リン吸着薬の使用状況に応じて、主治医や管理栄養士と相談しながら食品を選ぶことが大切です。

食品添加物の安全性と過剰摂取のリスク

食品添加物は、法律に基づいて使用量や種類が定められており、基準の範囲内での使用は安全性が確認されています。複数の添加物を同時に摂取した場合の影響について不安を感じる方もいますが、国が定めた基準は十分に安全を見込んだものであり、通常の食事量で直ちに健康被害が出る可能性は極めて低いとされています。ただし、特定の食品ばかりに偏ることは避けましょう。

許容摂取量(ADI)とは何か

食品添加物には「許容一日摂取量(ADI)」という概念があります。ADIとは、人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないとされる量のことです。この値は、動物実験などで得られた無毒性量(NOAEL)に安全係数(通常100倍)を掛けて算出されます。

日本では、食品添加物の使用基準は食品衛生法に基づいて定められており、使用できる食品の種類や最大使用量が規定されています。厚生労働省が定めた基準に適合した添加物が使用されている製品は、通常の摂取量であれば健康上の問題はないと考えられています。

ただし、子どもや高齢者、腎臓や肝臓に疾患のある方は、添加物の代謝・排泄能力が異なる場合があります。このような方は、添加物の少ない食品を選ぶことや、食品全体のバランスを意識することが特に大切です。

「無添加」や「添加物を少なくした」製品の選び方

市場には、「無添加」を表示したサラダチキン製品も見られます。ただし、「無添加」の表示は、特定の添加物が使用されていないことを示すものであり、すべての添加物が含まれていないことを意味するわけではありません。表示内容をよく読み、何が含まれていないのかを確認することが重要です。

添加物を少なくするためには、製品の原材料表示をチェックし、記載されている成分の数が少ないものを選ぶ方法が参考になります。また、製品ごとに塩分量や使用添加物の種類が異なるため、複数の商品を比較することもおすすめです。

完全に添加物を避けることは難しい現代の食環境において、必要以上に神経質になるよりも、食事全体のバランスを整えることがより現実的な対策といえます。

配信元: Medical DOC

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