現地時間6月20日(日本時間21日)、サッカーのワールドカップ・1次リーグFの第2戦でチュニジア代表(FIFAランク45位)とメキシコ・モンテレイで対戦し、4-0で快勝を収めた日本代表(同18位)。試合はMF鎌田大地(クリスタルパレス)、FW上田綺世(フェイエノールト)の2ゴール、MF伊東純也(ゲンク)の得点で圧倒したものの、前半10分に上田が放ったシュートがVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定によりラインにかかってノーゴールとなる一幕があった。この判定をきっかけに、英国のサッカーメディアがXで日本を「1ミリの国(the 1mm nation)」と一言ポストを加工写真と共に投稿すると、SNSでは前大会の「三笘の1ミリ」や今大会の“鎌田の1ミリ”と絡めた反応が相次いでいる。
1-0で迎えた前半10分、上田が放った強烈なシュートはゴールラインを割ったように見えた。誰もが「入った!」と確信した瞬間だったが、VARによる検証の結果、判定はノーゴールとなった。ゴールラインテクノロジーの映像を見ると、ボールの大半はラインを越えていたものの、ほんの数ミリだけ線上に残っていた。
日本テレビ系の中継で解説を務めた元日本代表MFの本田圭佑は、当初「2ミリ入っていた」と発言したものの、VARの映像が流れた後は「1ミリでしたね」と笑い交じりに語った。
W杯初ゴールを幻にされた上田だったが、その悔しさをぶつけるように前半31分に鮮やかなミドルシュートを突き刺すと、後半38分には得意のヘッドで追加点を奪い、日本代表初となる1試合2ゴール(1アシスト)の大活躍で試合を締めくくった。
「Maeda’s 1mm haircut」?
今試合を受け、英メディア「Troll Football」が22日、Xに「Japan - the 1mm nation(日本 - 1mmの国)」と題して加工画像を投稿。その画像は左上から時計回りに「Mitoma’s 1mm assist」(MF三笘薫(ブライトン)の1ミリアシスト)「Ueda’s 1mm no goal」(上田の1ミリノーゴール)「Kamada’s 1mm header」(鎌田の1ミリヘッド)とともに、「Maeda’s 1mm haircut」(前田の1ミリヘアカット)と記され、なぜかFW前田大然(セルティック)のかつてトレードマークだったスキンヘッドをオチに使う凝り様だった。
このポストが瞬く間にXで拡散。日本サポーターからは判定への不満ではなく、自信と誇りに満ちたポジティブ反応が続出するなど、「自虐しつつ肯定」する流れが生まれている。
「日本は1ミリに喜び1ミリに泣く」
「日本では建築業などで『ミリの仕事』という言葉を用います」
「神は細部に宿る」
「毎試合のように1mmに助けられたり助けられなかったり。ギリギリを攻めるのが大好きなんです」
「最後まで決して諦めない国民性」
「1ミリの国言われてらぁ」
といった言葉を引き合いに出し、この精密さを「日本らしい国民性」として前向きに捉える投稿も目立った。
過去の「1ミリ」との等価交換?
ファンがこれほどまでに「1ミリ」という言葉に熱狂する背景には、日本代表が積み重ねてきた歴史がある。Xには、今回の事象を次のように整理する投稿が注目を集めている。
【恒例】日本、また1mmに縁がある。
2022年 → 三笘の1mm(入った)
2026年 → 鎌田の1mm(入った)
2026年 → 上田の逆1mm(入ってない)
2022年カタールW杯スペイン戦での「三笘の1ミリ」、そして今大会初戦のオランダ戦で生まれた、小川航基のシュートが頭頂部に当たり軌道が変わった「鎌田の1ミリ」。これら過去の特大ラッキーに対し、今回の「逆1ミリ」を「等価交換してプラマイゼロできた気がする」と考え、
「日本代表、どうやら1mmの呪いに取り憑かれている。そして今日もその1mmより大きい得点で勝った。もう1mm専門チームでいいのでは」
「次は一体どんな大逆転のラッキーが起きるのか今からワクワクが止まらない」
と、今後の展開を楽しみにする声も上がった。
海外のサッカー分析アカウントからも「1ミリはもはや距離ではなく、日本特有の『ジャパン・マージン(日本基準)』という地政学的測定単位だ。いくつかの国は才能で勝つが、日本は小数点以下で勝つ」といったジョークが飛び出すなど、「1ミリ」は世界共通の日本代表のアイデンティティとして定着しつつある。
戦術的にもチュニジアを圧倒した森保ジャパンは、1ミリの呪いすらも笑い飛ばす実力を見せつけた。1ミリに泣き、最後は実力で笑う。そんな日本代表の戦いぶりに、多くのファンが魅了されている。

