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【自閉症】23歳ひきこもり長男、初診先が廃院でピンチ 月7.6万円の「障害年金」へつなげた社労士の提案

【自閉症】23歳ひきこもり長男、初診先が廃院でピンチ 月7.6万円の「障害年金」へつなげた社労士の提案


受診先の医療機関が廃院しており、障害年金の請求に必要な「初診日」の証明が難しい場合、どうする?(画像はイメージ)

【画像】「知らなかった…」 これが、ひきこもりの人に絶対にやってはいけない“NG行為”です

 筆者のファイナンシャルプランナー・浜田裕也さんは、社会保険労務士の資格を持ち、病気などで就労が困難なひきこもりの人を対象に、障害年金の請求を支援する活動も行っています。

 浜田さんによると、障害年金を請求するには、その障害で初めて病院を受診した日である「初診日」を「受診状況等証明書」と呼ばれる文書で証明しなければならないということです。もし初診日の証明ができないと、障害年金を請求してもそれが認められないケースもあります。ずっと前に病院を受診しており、初診日の証明もできなければ、当時の証拠書類も何もないという場合、どのように対処すればよいのでしょうか。発達障害の20代息子がいる、ある家族をモデルに浜田さんが解説します。

「発達障害」は初診日が過去にさかのぼってしまうケースも

 23歳の森本隼人さん(仮名)には、発達障害の一つである自閉スペクトラム症があります。それが原因で生きづらさを抱え、ひきこもりのような生活を続けてきました。

 20歳を過ぎた頃からうつ状態も見られるようになり、就労も困難な状態にあります。そこで隼人さんの母親は、障害基礎年金の請求を考えるようになりました。

 母親は、隼人さんが現在受診している精神科に診断書の作成を依頼。出来上がった診断書を受け取ったところ、思いもよらない事態が起こりました。そこには「幼少期に発達障害で小児科を受診したことがある」という記載があったのです。

 隼人さんが幼少期に受診していたことを思い出した母親は、すぐさま受診先の病院を調べました。するとその病院はすでに廃院していることが分かりました。自宅には幼少期に受診したことが証明できる診察券や領収書などの証拠書類は何も残っていません。

「これでは初診日の証明ができないので、障害基礎年金は請求できないのではないか」

 心配になった母親は、私のもとに相談に訪れました。

 面談の席で、母親は不安そうな声で言いました。

「長男の幼少期に、病院を受診させたことは事実です。現在通っている精神科にもその話はしました。ですが幼少期に受診した病院はすぐに行かなくなってしまいました。現在の精神科は長男が21歳ごろから受診しています。この精神科を初診として、障害基礎年金を請求することはできないのでしょうか」

「残念ながらそれはできません。発達障害は生まれつきの脳の障害とされており、医学的には完治(治癒)することはないとされているからです。よって、前の病院と次の病院の間に受診していない期間が長く空いていたとしても『幼少期に初めて受診した病院』が初診の病院となってしまうのです」

「それじゃあ、長男は初診日の証明ができないので、障害基礎年金が認められないということでしょうか」

「そうですね…」

 何か解決策はないものか。それを探るため、私は隼人さんの幼少期から現在までの状況を伺いました。

 母親によると、隼人さんは発語が遅く、3歳になる少し前にやっと意味のある単語を口にするようになったそうです。食べ物の好き嫌いが激しく、食べさせようとすると暴れてしまい手が付けられなかったということです。

 他人に興味関心がないようで、幼稚園では他の子と一緒に遊ぶよりも一人で遊ぶことを好んでいました。集団行動も苦手で、勝手に一人遊びを始めてしまうこともありました。それを幼稚園の先生が注意すると、隼人さんは大声を上げて暴れ出し、おもちゃを踏みつけることもあったそうです。

 自宅でも幼稚園でも言うことを聞かなかった隼人さんに困り果てていた母親は、幼稚園の先生に相談。すると「一度病院を受診してみてはどうか」と勧められました。

 そこで母親は隼人さんが5歳の頃、発達障害児も診てくれる地元の小児科へ連れて行きました。医師からは「確かに発達障害の可能性が高そうですね。ですがお子さんはまだ小さいので、あれこれ抑えつけるのではなく、どうか大らかに接してあげてください」と言われました。

 その後、月に1回程度の受診を続けていましたが、母親が近況を医師に伝えるだけで、特にこれといった治療もなく薬も処方されなかったといいます。

 わが子が改善することを期待していた母親は「何のための受診なのか」と疑問を抱いてしまい、隼人さんが小学校に入学する前に受診を中断してしまいました。

20歳前に受診したことが証明できるかどうか

 私がさらに母親から聞き取りを続けると、意外な事実が分かりました。

 隼人さんは小学校に進学するも、やはり普通学級になじむことはできませんでした。それを心配した担任の先生から発達障害の検査を受けるよう勧められたそうです。

 検査の結果、隼人さんは「自閉スペクトラム症」の診断を受けました。それを踏まえ、母親は学校と相談。隼人さんは通級指導教室(個別の指導や支援が受けられるもの)を利用することになりました。

 隼人さんはその後も月に1回程度、児童精神科に通院を続けていましたが、状況が改善することはなかったため、小学校卒業と同時に通院は中断してしまいました。

 中学校に進学すると、生きづらさをより強く感じるようになってしまい、中学2年生の夏休み明けから不登校となってしまいました。その後はひきこもりのような生活を送るようになりました。

 長年のひきこもり生活のせいか次第に気力は衰え、その目には覇気が感じられなくなっていきました。髪やひげは伸び放題。風呂もろくに入らなくなってしまい、隼人さんの体からは異臭がしています。心配になった母親は隼人さんを説得。精神科に連れて行きました。隼人さんが21歳のときでした。

 以上のことから、隼人さんの受診歴は次のようになることが分かりました。

■1番目の病院(小児科)
5歳から6歳まで。小学校入学前に通院をやめる。すでに廃院。

■2番目の病院(児童精神科)
7歳から12歳まで。小学校を卒業と同時に通院を中断。

■3番目の病院(精神科)
21歳から23歳の現在まで

 発達障害もうつ病も精神疾患のため、初診は5歳になってしまうのがポイントです。

配信元: オトナンサー

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オトナンサー

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