大阪地検のトップだった北川健太郎元検事正が、部下の女性検事に対する準強制性交等罪で起訴された事件をめぐって、国会で検察庁の対応を厳しく批判する場面が目立ち始めている。
6月18日の参院法務委員会では、法務省の刑事局長が「女性検事の意思確認をするなどして、心身への影響にも配慮して対策を講じてきた」と答弁。
これに対し、昨年の参院選で初当選した国民民主党の小林さやか議員は「被害者の意思通りにまったくなっていない。ちょっとあり得ない」と述べた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
●批判集まる再審法改正案「根底に検察への不信感ある」
小林議員は冒頭、刑事裁判のやり直し「再審」に関する法改正の議論が参議院でも始まることに触れ、次のように述べた。
「ここまでの議論がこれほどまでに紛糾してきた背景には、検察への国民の不信感が根底にあると思います。法案の随所に見られている例外規定、これを検察が自己保身のために使わないとは信じ切れない事案が相次いでいるからです。
今からお尋ねする、大阪地検の元検事正による部下の女性検事に対する性暴力、この事案の経緯を聞くにつれ、通常の組織では考えられないほど自浄作用が効いていないと言わざるを得ません。
自己の組織にとって都合の悪い事案に対してどこまで向き合えるのか。この対応を真摯におこなうことさえもできないようであれば、誰が検察の無謬性を前提にした再審法の例外規定を適切に運用できると信じられるでしょうか」
●第三者調査を拒む法務省「権限の中でやれる対応している」
事件をめぐっては、第三者による調査を求める声が高まっている。一方、法務省や検察庁は、刑事事件の裁判が進行中であることなどを理由に、消極的な姿勢を保っている。
元NHK記者である小林議員は、自身が取材したことがあるという元自衛官の性被害事件を挙げ、「当時も隠蔽体質に辟易としましたが、今考えてみれば、防衛省のほうがずっと自浄作用働いてます」と指摘。
さらに、防衛省が刑事事件の判決が出る前から調査を実施した点に触れ、「なんで防衛省にできて、検察にできないんですか」と質問した。

これに対して、法務省の佐藤淳刑事局長は「検察当局として事案を把握した後は、早急に捜査を遂げて、被告人を起訴して、公判で必要な主張・立証をおこなっている。検察当局として自らの権限の中でやれる対応をしている」と答弁した。

