行動を変えさせた一言と、その余韻
それでも女性は視線を外さず「それだけ?」と、短く言い放ちます。
「男性は耐えるように黙っていましたが、やがて観念したように立ち上がって、高齢女性に席を譲ったんですよ」すると高齢女性は、何度も頭を下げながら「どうもありがとう」と席に腰掛けたそう。
「女性はそれを確認すると『やればできるじゃない』とだけ言って軽く微笑むと、元の位置へ戻ったのですが……こんなに真っ直ぐに叱ってくれるきっぷのいい女性は久しぶりに見ました。彼女の行動と言動になんだか元気をもらったんですよね」
強くまっすぐで、それでいて後味のいいやり取り。その光景は、小百合さんの心にしっかりと残り続けているのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

