“低身長外来”が増えている今、保護者が知っておきたい「正しい医療の見極め方」

“低身長外来”が増えている今、保護者が知っておきたい「正しい医療の見極め方」

子どもの身長について、「このままで大丈夫だろうか……」と不安に感じる保護者は少なくありません。近年は“低身長外来”を掲げる整形外科が目立つようになったこともあり、どのように判断し、どこに相談すべきか迷うケースも増えています。今回は、低身長の基本的な考え方から医療機関での対応、そして医療機関の選び方まで、東京神田整形外科クリニック院長の田邊先生に聞きました。

※2026年5月取材。

田邊 雄

監修医師:
田邊 雄(東京神田整形外科クリニック)

金沢医科大学医学部卒業。その後、順天堂大学医学部附属順天堂医院の関連施設にて研修・勤務、都内整形外科の院長を務める。2020年、東京都千代田区に「東京神田整形外科クリニック」を開院。医学博士。日本整形外科学会整形外科専門医。日本再生医療学会、日本成長学会の各会員。

低身長とは? 基本の考え方

低身長とは? 基本の考え方

編集部

低身長とは、どのような状態を指すのでしょうか?

田邊先生

一般的には、同年代と比較して身長が低い状態を指し、標準偏差(SD)で−2SD以下が一つの目安とされています。ただし、身長の高さだけでなく、これまでの成長の経過も含めて評価することが重要です。

編集部

子どもの身長が低い場合、どのように考えればよいのでしょうか?

田邊先生

個人差の範囲であることも多々あります。成長曲線(年齢ごとの身長・体重の標準的な伸びを示すグラフ)から外れている場合や、途中から伸びが鈍くなっている場合には、病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。特に成長曲線は、低身長かどうかを確認するのに有効です。インターネットで簡単に調べられるため、お子さんの記録を当てはめてみるとよいでしょう。また「学校保健統計調査」を検索すると、最新の子どもの発育状況を確認できます。自分の子どもと比べてみるのもおすすめです。

編集部

気になる場合は、どうすればよいのでしょうか?

田邊先生

まずは食事や睡眠、運動などの生活習慣を見直すことも大切です。また、医療機関で相談することも一つの選択肢になります。現在の成長の状態を専門家が客観的に評価することで、必要な対応を判断できます。

編集部

低身長は、医療機関で治療できるのでしょうか?

田邊先生

原因によっては治療が行われることがあります。全てのケースで治療が必要というわけではなく、医学的な評価を基に判断されます。

“低身長外来”での評価と治療

“低身長外来”での評価と治療

編集部

医療機関では、どのような検査や評価が行われるのでしょうか?

田邊先生

身長や体重の推移、成長曲線、両親の身長などを確認し、必要に応じて骨年齢(骨の発達度合いから推定される年齢)の評価や血液検査を行います。これらの検査結果を基に、現在の成長の位置付けや今後見込まれる身長の見通しを把握します。その上で、成長の状態や背景に病気がないかを含めて総合的に判断します。

編集部

病気が原因となっている場合もありますか?

田邊先生

頻度は高くありませんが、成長ホルモン分泌不全症(成長ホルモンの分泌が不十分なために身長が伸びにくくなる病気)などの病気が背景にあるケースもあります。気になる場合は、成長の可能性が残っている段階で医療機関による検査を検討することが重要です。

編集部

病気ではない場合は、何が考えられますか?

田邊先生

いわゆる特発性低身長(身長の伸びが標準より低い状態のうち、原因が特定できないもの)と呼ばれるケースでは、医学的な異常が見つからないこともあります。その場合は、治療の適応を含めて個別に判断します。

編集部

病気でない場合、どのような治療をするのでしょうか?

田邊先生

成長の見通しや本人・家族の希望を踏まえた上で、成長ホルモン治療などを検討することがあります。ただし、全てのケースで治療が適応となるわけではなく、効果や限界についても説明した上で慎重に判断します。

配信元: Medical DOC

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