「高血圧と頭痛」で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「高血圧と頭痛」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
高血圧・高血圧性脳症
高血圧は多くの場合無症状ですが、高血圧性脳症といわれる状態になると、脳血流自動調節機能が破綻するために、脳にむくみを生じることがあります。
症状としては、頭痛に加え、意識を失う、痙攣する、嘔吐する、目が見えづらいなどがあります。そのような場合には、救急車の要請を含めて、速やかに医療機関を受診しましょう。
脳出血
脳出血は脳を栄養している血管が破れて、脳内に出血を起こす病気です。
高血圧が一因になりますが、生活習慣病である糖尿病や脂質異常症などで動脈硬化があると、発症のリスクが高まります。
症状としては以下のものがあります。
・意識が低下する
・手足が動かない
・ろれつが回らない
・突然のめまいやふらつきで歩けない
このような症状は、速やかな治療が必要となります。救急車の要請をし、脳神経内科や脳神経外科のある専門病院を救急受診しましょう。
急性期の治療としては降圧薬により血圧を下げることや、脳のむくみをとる薬を使用することがあります。また血腫(血の塊)が脳を圧迫している場合、それを取り除く手術が行われることがあります。
くも膜下出血
脳の動脈が破れて出血し、脳を包む膜の間(くも膜と軟膜の間)の「くも膜下腔」という場所に、血液がたまる病気です。
原因としては、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう。血管の一部が風船のように膨らんだ状態)の破裂が最も多いとされています。高血圧があると、脳動脈瘤ができる可能性や破れるリスクが高まります。
症状は、「突然の今までにない激しい頭痛」が特徴的です。そのほか、吐き気、嘔吐、痙攣などを伴うことがあります。
上記の症状がある場合は、緊急性があるため、脳出血の時と同様に救急車を要請し、速やかに医療機関を受診しましょう。
急性期の治療としては、動脈瘤をクリップで閉じたり、コイルで詰めたりして、出血しないようにします。
「血圧が高いと起こる頭痛」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧が高いと起こる頭痛」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
なぜ血圧が高いと頭痛が起こるのでしょうか?
大沼 善正(医師)
血圧が高いだけでは、頭痛は起こりにくいとされています。しかし、血圧が急激に上昇した場合や非常に高い状態(収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上)では、頭痛が起こることがあります。血圧が急に上昇した場合や、非常に高くなったときは、脳の血管のバリア(血液脳関門)に隙間ができ、血液中の水分が血管の外にしみ出し、脳のまわりの組織がむくむことがあります。脳は硬い頭蓋骨に囲まれているため、むくみによる圧力の逃げ場がありません。その結果、脳を包む膜や周囲の神経が刺激され、頭痛として感じられます。
どれくらい血圧の値が高いと頭痛が起こるのでしょうか?
大沼 善正(医師)
収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧120mmHg以上で起こりやすいとされています。
水分をたくさん摂ることで高めの血圧は下がりますか?
大沼 善正(医師)
水分をたくさん摂ることによる高血圧改善効果はありませんが、水分をとることで脱水が改善し、血圧が安定することは考えられます。とくに夏場ではのどが渇く前にこまめに水分補給をすることは、脱水の予防のために大切です。心疾患や腎臓病の方は、水分を摂りすぎるとむくみや持病の悪化につながる可能性があるため、医師と相談して水分量を決めましょう。
血圧が高めで頻繁に頭・こめかみが痛くなるときは何科を受診したら良いですか?
大沼 善正(医師)
まずは一般内科、循環器内科を受診するのがよいと思われます。血圧が高くて頭痛がする場合には、高血圧による頭痛のほかに、褐色細胞腫、自律神経反射、妊娠中に起こるものなどいろいろな原因があるため、まずはその鑑別が必要となります。頭痛だけでなく、意識が低下する、目の見えづらさがある、手足のしびれがある場合には、脳神経内科・脳神経外科を受診しましょう。

