●AI時代は「恋愛禁止」より契約違反が重視される
──SNSや配信サービスが普及し、AIによるファン分析や人材選考も現実味を帯びています。今後のアイドル業界はどう変わるでしょうか。
昭和のようにテレビが中心だった時代と違い、今はエンターテインメントが多様化しました。
アイドルグループも増え、ファンの興味も分散しています。そのため、一つのグループが国民的なヒットを生み出すハードルは以前より高くなっています。
だからこそ、一度成功したグループを抱える芸能事務所にとっては、既存ファンという資産をどう維持し、経営を安定させるかがカギとなります。
将来的には、ファンの年齢や性別、趣味嗜好など膨大なデータをAIで分析し、新メンバーの採用に活用することで、推しメンバーの卒業後もファン離れを防ぐような運営が進む可能性もあります。
一方で、旧ジャニーズ事務所やフジテレビをめぐる問題を経て、芸能界全体でコンプラや人権に対する意識は大きく変わりました。
芸能事務所にとっても、「恋愛禁止」を契約に明記すること自体が、法的リスクになりえます。むしろ、本音ではそうした条項はできるだけ設けたくないと考えている事務所もあるでしょう。
今後は、恋愛や交友関係そのものではなく、業務不履行や秘密漏えい、コンプラ違反など、一般の会社と同じような禁止事項に近づく流れが進むのではないでしょうか。

