サッカーW杯で決勝トーナメント進出に失敗し、1次リーグ敗退という結果に終わった韓国代表。彼らを待つ母国の空気はあまりにも冷たく、大韓サッカー協会(KFA)は帰国時の恒例行事を異例の形で取りやめる決断を下した。
『朝鮮日報』は28日、「ホン・ミョンボ号、空港で飴を食らうか…30日帰国、別途の行事は行わず」との見出しでこの事態を報じている。
監督と一部選手のみが30日午前に帰国、残りは分散
同紙によると、KFAは韓国のグループリーグ敗退が確定した後の27日(現地時間)に、今後の帰国スケジュールを発表した。
発表によれば、「ホン・ミョンボ監督と、チョ・ヒョヌ(蔚山)、キム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)、ファン・インボム(フェイエノールト)、ファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン)、ペク・スンホ(バーミンガム)、キム・ムンファン(大田)、イ・ガンイン(パリ・サンジェルマン)、ソル・ヨンウ(ツルヴェナ・ズヴェズダ)の選手8名が、現地時間の28日にメキシコのグアダラハラを出発。米国を経由し、韓国時間の30日午前に仁川国際空港に到着する」という。
ホン監督と共に帰国するこの8名以外の選手たちについては、別途航空便を手配して動くことになる。KFAは「数名ずつのグループに分かれ、7月1日までには全員が帰国できるよう準備している」と説明している。チーム全員が揃って母国の土を踏むことすら叶わない、まさに「逃げるような」分散帰国となる。
2014年の「飴投げ事件」のトラウマ
そして最大の焦点は、KFAが「帰国時に別途の行事は行わない」と明言したことだ。
『朝鮮日報』は、「2002年の日韓W杯以降、サッカー代表チームがW杯から帰国した際に、空港で帰国行事を開かないのは今回が初めてだ」と指摘している。
過去の惨敗時にも、セレモニー自体は行われてきた。1勝もできず1分け2敗でグループリーグ敗退となった2014年のブラジルW杯の際も、帰国行事は開かれている。しかし、この時は成績不振に激怒した一部のサッカーファンが、整列した選手たちに向かって「飴」を投げつけるという事件が発生した。
※韓国語において「飴を食らえ(엿 먹어라)」という言葉は、相手を強烈に侮蔑する「くたばれ」「ふざけるな」といった意味を持つスラングである。
指揮官の采配への不満や、他力本願の末のあっけない敗退劇により、現在韓国国内の世論は最悪のレベルにまで悪化している。KFAが異例のセレモニー中止に踏み切った背景には、選手や監督を世間のバッシングから直接的に守ると同時に、2014年の「飴投げ事件」のような物理的な抗議行動がメディアの前で再び繰り広げられることを恐れたという見方が強い。
逃げるように母国へ戻るホン・ミョンボ体制の韓国代表。空港での行事は回避できても、世論の厳しい追及から逃れることはできそうにない。
