介護の平均年数はどれくらい?期間や費用目安と備え方も併せて解説します

介護の平均年数はどれくらい?期間や費用目安と備え方も併せて解説します

親の介護はいつまで続くのだろう、介護費用はどれくらい準備しておけばよいのだろうと不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
介護は突然始まるケースも少なくないため、期間や費用の見通しが立たないまま対応に追われてしまうケースもあります。

介護の平均年数を知っておくことで、在宅介護や施設介護の選択、費用の備え、家族間での役割分担を考えやすくなります。

本記事では、介護の平均年数について以下の点を中心に解説します。

介護の平均年数や介護が必要になる年齢の目安

介護期間に影響する要因と費用の目安

介護の負担を軽減するための備え方

介護期間や費用の目安を理解し、将来に備えるためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

高山 哲朗

監修医師:
高山 哲朗(かなまち慈優クリニック)

【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長

介護の平均年数について

介護の平均年数について

介護の平均年数はどれくらいですか?

介護にかかる期間は、生命保険文化センターの調査によると平均で4年7ヶ月とされています。ただし、これはあくまで平均であり、実際には数ヶ月で終わるケースもあれば、10年以上続くケースもあります。

介護期間は、本人の病気や身体の状態、認知症の有無、家族の支援体制、介護サービスの利用状況などによって大きく変わります。
そのため、平均より短いから安心、平均を超えたから特別と考えるのではなく、長期化する可能性も見据えて備えることが大切です。

介護が始まったら、家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、無理のない介護体制を整えていきましょう。

参照:『介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?』(公益財団法人 生命保険文化センター)

介護が必要になる年齢の目安を教えてください

介護が必要になる年齢は、75歳以降が一つの目安とされています。内閣府の『令和7年版高齢社会白書』では、75歳以上になると要介護認定を受ける方の割合が大きく上昇すると示されています。

特に80歳を超えると、身体機能の低下や慢性疾患の影響により、日常生活の支援が必要になるケースが増えていきます。一方で、65歳未満でも脳血管疾患や事故などをきっかけに介護が必要になることもあります。

このように、介護開始年齢は一律ではありませんが、75歳以上を一つの基準として考えておくと現実的です。将来の備えとして、親世代だけでなく、自身の老後も見据えた準備が求められるでしょう。

参照:『令和7年版高齢社会白書 第2節高齢期の暮らしの動向(2)』(内閣府)

病気や要介護度によって介護の平均年数は変わりますか?

介護の期間は、原因となる病気や要介護度によって大きく変わります。
例えば、脳梗塞などの急性疾患の場合は、リハビリによって回復し、想定していた期間より短期間で介護が終了するケースもあります。一方で、認知症やパーキンソン病のような進行性の疾患では、長期的な介護が必要になることが多いといわれています。

また、要介護度が重くなるほど、食事や排泄、移動など日常生活のさまざまな場面で継続的な介助が求められるケースも少なくありません。
状態の大幅な改善が難しい場合は、こうした支援が長期にわたって必要になる可能性があります。

このように、介護期間は単純な平均値では測れません。
個々の健康状態や生活環境によって変動するため、幅を持って考えることが現実的な備えにつながるのではないでしょうか。

介護期間に影響する要因と費用目安

介護期間に影響する要因と費用目安

介護が長期化する主な原因を教えてください

介護が長期化する背景には、まず高齢化の進行と医療技術の発展による長寿化があります。

平均寿命は延びていますが、日常生活に制限のない健康寿命との差が大きく、その期間が要介護状態につながるケースが多いとされています。また、認知症や脳血管疾患など、長期的なケアを必要とする慢性疾患の増加も一因です。これらの疾患は回復に時間を要する、あるいは進行性であることから、数年単位の介護が続くことも珍しくありません。

さらに、老老介護の増加や、家族構成の変化によって介護負担を分担しにくい状況も影響していると考えられます。

介護費用はどれくらい見込んでおくべきですか?

介護費用は個々の状況によって差がありますが、平均的な介護期間と月額費用から考えると、総額で5,000,000円を超えるケースも想定されます。公益財団法人 生命保険文化センターの2024年度調査によると、一時的な費用は平均472,000円、月々の介護費用は平均90,000円とされています。

初期費用は、住宅改修や介護用品の購入などで数十万円程度かかる場合があります。月々の費用は、利用する介護サービスの内容にもよりますが、50,000〜100,000円前後が一つの目安です。また、在宅介護での月々の費用は平均53,000円、施設介護では平均138,000円と、介護を行う場所によって費用差がある点にも注意が必要です。

なかでも注意したいのは、介護が数年単位で続く可能性がある点です。同調査では、平均的な介護期間は約4年7ヶ月とされていますが、10年以上続くケースも一定数みられます。

さらに、食費や日用品費などの保険対象外の支出も発生するため、余裕を持った資金計画を立てておくことが望ましいでしょう。

参照:『介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?』(公益財団法人 生命保険文化センター)

介護が長引いたとき、費用負担を減らす方法はありますか?

介護費用の負担を軽減するためには、公的制度の活用が欠かせません。
主な制度には以下のようなものがあります。

・高額介護サービス費制度:1ヶ月の介護保険自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合に超過分が払い戻されます。

・高額医療・高額介護合算療養費制度:世帯内の医療費と介護費の年間の合計額が一定額を超えた場合に、負担が軽減されます。

・負担限度額認定制度:施設利用時の食費や居住費について、所得や資産が一定以下の方を対象に負担が軽減されます。

・医療費控除:訪問看護やリハビリなどの介護サービス費、医師が必要と認めたおむつ代などを確定申告することで、税負担を軽減できる場合があります。

・障害者控除:要介護認定を受けている高齢の方で、自治体が発行する障害者控除対象者認定書を得た場合、税制上の控除を受けられます。

そのほか、住民票上の世帯を分ける世帯分離によって負担上限額が下がるケースもあります。まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、サービス内容の見直しや自治体独自の助成(紙おむつ代助成など)、公的施設(特別養護老人ホームなど)への入居を検討することが、長期的な負担軽減につながります。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。