マヨネーズの風味や品質を左右するのが「油」です。どの種類の油が使われているか、そしてその油が酸化していないかは、味だけでなく身体への影響にも関わります。不飽和脂肪酸を多く含む油は酸化しやすく、過酸化脂質の生成につながる場合もあります。このセクションでは、油の種類と特徴、そして酸化が起こる仕組みと健康への影響について詳しくお伝えします。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
マヨネーズに使われる油とは何か|種類と特徴を理解する
マヨネーズのカロリーと品質、そして風味を左右する最も大きな要素が「油」です。どのような種類の油が、どのような品質で使われているかを知ることは、マヨネーズを深く理解し、賢く選ぶうえで欠かせない基礎知識となります。ここでは、主要な油の種類とその特徴を整理します。
一般的なマヨネーズに使われる植物油の種類
市販のマヨネーズには、大豆油、菜種(キャノーラ)油、コーン油などの植物油が主に使われています。これらの油は、多価不飽和脂肪酸であるリノール酸などのオメガ6系脂肪酸を多く含んでいます。オメガ6系脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸ですが、現代の食生活では揚げ物や加工食品などから摂取する機会が多く、過剰になりやすい傾向があるといわれています。
一部のこだわりの製品では、オレイン酸を多く含むハイオレイック菜種油や、ひまわり油、オリーブ油、米油などが使われているものもあります。オレイン酸は一価不飽和脂肪酸であるオメガ9系脂肪酸であり、比較的酸化しにくいという安定性の高い特徴を持っています。
油の品質がマヨネーズの質に影響する理由
マヨネーズの風味や品質は、使用される油の鮮度や精製度によって大きく左右されます。高度に精製された油は、色やにおいが少なく、すっきりとしたクセのない味わいになりますが、その過程でビタミンEなどの微量栄養素が失われることもあります。一方、圧搾法などで作られた低精製の油には原料由来の独特の風味があり、栄養的には豊富なケースもありますが、マヨネーズの味に影響を与えることもあります。
マヨネーズの品質を判断する際には、単にカロリーだけでなく、使われている油の種類やその精製方法、脂肪酸のバランスといった、より深い情報にも目を向けると、製品選びの精度が格段に向上するでしょう。
油の酸化とは何か|マヨネーズにおける酸化のメカニズム
油は空気(酸素)・光・熱の影響を受けて、時間とともに品質が劣化します。これを「酸化」と呼びます。酸化した油を摂取することは、身体に様々な悪影響を及ぼす可能性があり、油を主成分とするマヨネーズを使う際にも、特に注意が必要な問題です。ここでは油の酸化について、そのメカニズムと健康への影響を詳しく説明します。
酸化が起こる仕組みと影響
油に含まれる不飽和脂肪酸は、空気中の酸素と反応することで酸化し、構造が変化します。この反応は「過酸化脂質」という有害物質の生成をもたらし、油の品質を著しく低下させます。酸化した油は、胸焼けの原因となる特有の不快なにおい(いわゆる「酸化臭」)が生じることがあり、味の劣化にも直結します。
さらに、体内に取り込まれた過酸化脂質は、細胞にダメージを与える活性酸素を発生させる原因になるとされています。これが体内の「酸化ストレス」を高め、老化の促進や生活習慣病のリスクを高める可能性を指摘する研究もあり、酸化した油を継続的に摂取することは、健康上の観点から避けることが望ましいといえます。
マヨネーズが酸化しやすい条件とは
マヨネーズは油を多く含む乳化食品であるため、保存方法によっては酸化が進みやすくなります。特に、日常生活の中に潜む以下のような条件下では酸化が著しく促進されるため、注意が必要です。
・開封後に長期間保存する
・直射日光が当たる場所に保管する
・高温の環境に置く
・蓋をしっかり閉めずに保管する
市販のマヨネーズには、酸化を防ぐ目的でビタミンEなどの酸化防止剤が含まれているものもありますが、一度開封して空気に触れた瞬間から酸化は始まります。開封後は賞味期限に関わらず、できるだけ早めに使い切ることが望まれます。

