第1話のあのセリフが最終話で大変身
誰もが心を掴まれる最高の演説であかりの勝利が決まったかのように思えた後、まさかあんな圧巻の演説が控えているとは……思いもよらなかった。
同じく都知事選候補者の日山流星(松下洸平)の演説だ。
流星はあろうことか、ギルバ人質事件に関する表に出してはならない音声データを演説の冒頭に流した。
思わず鷹臣も流星を叱責するが、流星の秘書の藤堂昴(倉悠貴)が事前に行っていたチームあかりとの業務委託契約により音声は止まらない。
その内容は、鷹臣と流星が人質事件を昇進に利用したことが明るみになる内容だった。
しかしそれでも彼らが力を得たかったのは解釈改憲を止めたかったからなのだと流星は訴えた。
憲法改正のハードルは高くとも、解釈の変更は閣議決定でできてしまうと。
解釈改憲が必要な場合もあるとしながらも、国民が納得する前にそんなことがなされてはならない。
「アフターではなくビフォーの話をしませんか。」
1話ではパフォーマンスのように使われていた流星のこの言葉が、ここまで胸打つものになろうとは。
流星のその言葉の通り、“こうなったからよろしくね”という政治ではなく、それに至る前にまずは国民一人一人の声を聞いて寄り添う政治を流星はやろうとしているのだ。
そんな流星の演説を前に、大きな銀河が現れた。

それは一つ一つの星……一人一人の国民が輝くことで出来た銀河。
幾つも輝いているからこそ全体が綺麗な銀河。
結果、日山流星がこの都知事選を見事勝ち抜き、新しい東京都知事となった。
しかし驚きだったのが、日山流星の脇を固める副都知事の4名がチームあかりの月岡あかり、星野茉莉、五十嵐隼人、雲井蛍(シシド・カフカ)になったことだ。
このドラマは希望に溢れつつも、こういった現実味も残してくれる塩梅が絶妙だ。
確かにあかりの演説もよかったが、培った経験による説得力と演説で膿を出し切った誠実さを考慮すると、それは流星だろうな……と思わざるを得ないからだ。
だが茉莉はまだ諦めていなかった。
「4年後、あかりさんが立つのは……」と流星の方を指した茉莉。
続編を望む声も多く聞こえてくるこのドラマ故に、茉莉&あかりが都知事選を再度戦う姿が見られる日もそう遠くないのではないかと期待している。
フィクションの中にも確かにあるノンフィクションな世界
いつからだろう。
まっすぐで美しい正義が何でもかんでも綺麗事と呼ばれるようになってしまったのは。
なぜまっすぐで美しい正義が笑われなきゃいけないのか。
このドラマは本気でそう思わせてくれる説得力を常に帯びていた。
それはセリフでありながらも、演じる役者の心の声もどこか乗っかっているように思えたからなのかもしれない。いや、私がそう思いたいからなのかもしれない。
それほどに世界は、日本は混沌を極めている。
フィクションでありながらも、私たちの現実の生活と密な世界を描いた今作。
そして現実でも私たちが銀河を彩る一つ一つの星であることはドラマと何ら違いない。
だからこそ私たちはこのドラマに光を感じ、現実を変えられるかもしれないという希望をもらったのかもしれない。
あなたも、私も、あの光のうちの一つだと考えたら、なんだかワクワクしてきませんか?
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
関西テレビ『銀河の一票』( 毎週月曜夜10時~)
出演:黒木華、野呂佳代、渡邊圭祐、倉悠貴、小雪、本上まなみ、岩谷健司、山口馬木也、木野花、岩松了、松下洸平
脚本:蛭田直美
音楽:坂東祐大主題歌:「おーへい」浜野謙太(在日ファンク)&後藤真希 feat. 黒木華&野呂佳代(日本コロムビア)
プロデュース:佐野亜裕美
制作プロデュース:植木さくら、森田美桜
演出:松本佳奈、藤澤浩和、瀧悠輔、稲留武
制作協力:AOI Pro.
制作著作:カンテレ、MYRIAGON STUDIO
著者:ケメ・ロジェ
イメージイラスト:サク

