「恵まれているのに、なぜ?」——恵まれた境遇の知人のTさんが、筆者に語った言葉とは……?
深いため息
ある日、知人のTさんが深いため息をつきながら、私に相談をしてきました。
Tさんは高学歴で経済的にも恵まれ、誰の目にも不自由なく暮らしている様に見える人です。
でも、その日の彼女は、ひどく落ち込んでいました。
報われない日々
Tさんの落ち込みの理由は、高校生の娘さんの進学についてでした。
Tさんは真面目な性格ゆえ、娘の為に常に進路先を丁寧に調べて、将来、良い選択ができる様に奔走していました。
ところが当の娘さんは他人事の様に構え、進路先に提出する大事な課題も後回しにした結果、チャンスを逃してしまったのだそうです。
さらにTさんの日常には、高齢のご両親の介護という重荷もありました。
真面目な性格のTさんは自分の家庭の事も完璧にこなしつつ、遠方に住むご両親のお世話にも毎週通っています。
はた目には何不自由ない暮らしに見えても、家庭の中で誰かの為に動き続ける毎日。
「私しかやる人がいないの。頑張っているのに報われない。皆、私がやって当然だと思っているし、もう虚しくて食欲もない」と語る彼女の姿に、私は言葉を失いました。

