「ちょ、靴抜けた!」ぬかるみにハマり大パニック
「最初は冷やかな目でみていたのですが、かなりの斜面を躊躇なく登っていくので『いや、ちょっとこれかなり危なくない?』と怖くなってきました」地面はかなりぬかるんでおり、登山道ですら滑りやすい状態。それなのに2人は、ふざけ半分のような様子で斜面を登っていきました。
すると次の瞬間……ズボッ!!! 片方の男性の足が、ぬかるみに深くハマってしまったそう。
「前日が雨だったんですよね。さらにもう1人が、ぬかるみから救い出そうと暴れたせいで、2人とも全身あちこちが泥だらけになり『ちょ、待って!! 靴抜けた!』『最悪なんだけど!』と大混乱の状態で」ついさっきまで「フェスだ!」「アガる!」と騒いでいた2人は、すっかり余裕を失い、泥まみれの大慌て。斜面の途中でバランスを崩しては悲鳴を上げ、周囲の登山客たちも思わず足を止めて見守っていました。
「正直『だから言わんこっちゃない……』って空気になっていましたね」
結局、見かねたベテラン登山者たちが救助に動くことになり、タオルをロープ代わりに使いながら慎重に2人を引き上げたそう。
ベテラン登山者のひと言に、男性2人も思わず沈黙
「そしてようやく無事に助け出されたあと、50代くらいの女性の登山者さんが、息を切らす2人に向かって『近道って、だいたい遠回りになるのよねぇ』とニコッと笑ったんですよ」さらに「山ってね、“自分が楽しければいい場所”じゃないのよ。自然も、周りの人も、ちゃんと見て歩かないと」と、穏やかな口調で続けました。
すると周囲の登山客たちからクスクスと笑いが漏れ、男性2人は「……すみません」と気まずそうにうつむきました。
その後、彼らのスマホの音楽が流れることはなく、2人は泥だらけのまま静かに下山していったそう。
「山って、自然を楽しみに来ている人が大半なので、やっぱり周りへの配慮って大事なんだなって改めて思いました。あの2人は今回の件で、良い勉強になったんじゃないでしょうか?」と微笑む真里さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

