友人A子の叔父は、親戚の法事のあと、お供え物を当然のように「持って帰る」と言い出し……?
法事のあとに残る“お供え物”
その日は親戚が集まっての法事でした。
お経が終わり、食事も済み、少しずつ片付けが始まるタイミング。
祭壇の前には、お菓子や果物、飲み物などのお供えが並んでいました。
昔からの習慣で、「お下がり」として分けることになる流れです。
片付けをしている最中、叔父が何気なく言いました。
「じゃあこれ、全部うち持って帰るわ」
まるで当然のような口調でした。
周囲は一瞬、動きが止まります。
「え、全部?」という空気が流れました。
“早い者勝ち”のような空気
叔父は続けます。
「うちの方が人数多いし、どうせ余るでしょ?」
さらに紙袋を取り出し、詰め始めようとしました。まだ正式に分ける話も終わっていない段階です。
他の親戚も気まずそうに見ているだけでした。
その時、A子の母が一歩前に出ました。
声は穏やかでしたが、はっきりとしています。
「すみません、まだ分け方決まってないので」
叔父は少し不満そうに言います。
「そんな堅いこと言わなくてもいいだろ」
母は淡々と続けました。
「これは故人にお供えしたものなので、皆で分ける前提です」
「誰かが先に全部持っていくものではないと思います」
強い口調ではありません。
でも、“ルール”ではなく“考え方”として整理されていました。

