咽頭がんの検査方法や治療方法はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が咽頭がんの検査方法と治療方法について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「咽頭がんの原因」はご存知ですか?症状やセルフチェック法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
渡邊 雄介(医師)
所属
国際医療福祉大学教授
山王メディカルセンター副院長
東京ボイスセンターセンター長
咽頭がんの検査方法
では、咽頭がんの検査では、どのような検査がどのように行われるのでしょうか。がんの疑いの判断をする内視鏡検査と生検について解説します。
内視鏡検査
内視鏡検査は、鼻腔に局所麻酔をかけたあと、内視鏡を鼻から入れて咽頭を確認する検査です。
上咽頭がんでは鼻や耳に症状があらわれることがあります。成人で初めて滲出性中耳炎になって通院してきた場合は、耳鏡による検査に加えて、この内視鏡検査を行い上咽頭を確認するのです。中咽頭がんの場合は、同時に食道にがんがある可能性が考えられますので、胃カメラでがんが重複していないか調べることを推奨しています。
下咽頭がんでは、食道がんだけでなく胃がんの可能性もあるため、同じく胃カメラでがんが重複していないかを調べることがあります。
生検
生検は、咽頭に局所麻酔をかけて内視鏡で確認しながら、疑いのある病変の一部を採取する検査です。採取した組織は、顕微鏡で詳しく調べがんかどうかを判断します。
中咽頭がんでは、ヒトパピローマウイルス感染の有無でTNM分類や病期が異なるため、採取したがん組織を免疫染色でp16陰性・p16陽性の判断を行います。下咽頭がんでは、食道がん・胃がんが同時に発症している可能性があるため、生検だけでなく胃カメラでの検査がすることを勧めます。
咽頭がんの治療方法
咽頭がんの治療は、がんの進行の程度・組織型に応じて標準的な治療のガイドラインがあります。これに加え、本人の希望・生活環境・年齢・体の状態など総合的な判断を行い、治療方法を決めていきます。
上咽頭がんでは、低分化・未分化のがん細胞が大部分なので、放射線治療で消滅・弱小化を行うことが多いです。また上咽頭は、手術が難しい部位であることも放射線治療をメインとした治療法をとる理由の1つです。
中咽頭がんでは、がんの状態を改善するだけでなく、飲み込むこと・発声といった普段の生活に関連する機能に対する対処が重要になります。そのため手術と手術以外の治療法を組み合わせたり、比較してよい方を選んだりといった方法をとります。
下咽頭がんの場合は、初期には咽頭の温存を目指しますので、放射線治療・咽頭温存手術を選択することが多いようです。
放射線治療
放射線治療は、がん細胞に放射線をあてて破壊する治療です。これにより、がんを消滅させたり小さくしたりといった効果が期待できます。咽頭がんでは、体の表面から放射線をあてる外部照射を30~35回行います。
上咽頭がんの放射線治療では、さまざまな方向から放射線をあてる強度変調放射線治療が多く、メリットとしては放射線治療による副作用を軽減できるのです。中咽頭がんの治療は、放射線治療のみ行う場合と放射線治療と薬物療法とを併用する化学放射線療法を行う場合の2つのパターンです。
下咽頭がんでは、薬物療法と併用して放射線治療を行う化学放射線療法が多くなります。薬物を併用することで、より放射線治療の効果が高められます。
化学療法
化学療法は、抗がん剤・化学物質などを使ってがん細胞の増殖を抑えたり、破壊したりするものです。投与されたこれらの薬剤は、血液中に入って全身を駆け回り体中のがん細胞を攻撃・破壊します。
外科療法・放射線療法のように局所的ながんの治療とは異なり、すでに広い範囲に転移している状態のときに、全身を治療するために用いられます。
外科的治療
上咽頭がんは、その部位の手術が難しいため、手術はほとんど行われません。たとえば、頸部リンパ節に転移している場合であっても放射線治療が優先されます。ただし、外科的治療を行う場合もあります。
中咽頭がんでは、がんとリンパ節の切除が中心です。切除したことで、部位の機能が失われる場合は再建手術も検討されます。
下咽頭がんの手術は、内視鏡を使った経口的切除術・咽頭温存や下咽頭部分切除術・咽頭全摘手術・下咽頭部分切除術・下咽頭全摘術・咽頭全摘術・頸部食道全摘術などが行われます。

