レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 《書斎の学者(ファウスト)》1652年頃 エッチング、ビュラン、ドライポイント 国立西洋美術館
レンブラントの画業のもう一つの柱、エッチング
レンブラントというと集団肖像画の大作〈夜警〉や、聖書や神話を題材にした物語画など、油彩画家としてのイメージが強い。
しかし、彼の画業を支えるもう一つの柱がある。エッチング(腐食銅版画)である。
17世紀初頭、エッチング技法は歴史の転換点を迎えていた。同時代の他のオランダの画家たち同様にエッチングに参入したレンブラントは、主題選択や表現方法において様々な実験と探求を重ね、やがてエッチングの第一人者となっていく。
第一章は、レンブラントのエッチング作品に焦点をあて、「肖像と頭部習作」や「キリスト教主題」、「無宿者と市井の人びと」、「スケッチ」、「風景」など多様なテーマを切り口として作品群を紹介していく。
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 《自画像、口を開けた顔》1630年 エッチング レンブラント・ハウス美術館
ゴヤ、ルドン、さらにはマティスも!?錚々たる追随者たち!
レンブラントの版画は、制作当時から高い人気を博した。特に19世紀になると、フランスを中心にエッチングの再評価と復興の動きが起き、レンブラントは「理想の体現者」として見なされるようになる。
第二章から第三章にはレンブラントを慕い、自らも版画に挑戦した画家たちの作品が集められている。ゴヤやルドン、さらにはマティスやピカソなど近代美術を代表する画家たちが名を連ねており、レンブラントという存在の大きさや影響力の強さを改めて実感できる。
アンリ・マティス 《版画を彫るアンリ・マティス》1900-03年 ドライポイント 国立西洋美術館
