膠原病が疑われる場合、診断には血液検査や尿検査、画像検査などを組み合わせて行います。自己抗体の検査だけで診断が決まるわけではなく、症状、診察所見、検査結果を総合して判断することが大切です。
また、膠原病は診断後も定期的な検査や治療が続くことがあり、医療費が負担になる場合があります。指定難病に該当する病気は、難病医療費助成制度を利用できることがあり、医療費が高額になった場合には高額療養費制度が使えることもあります。
この記事は、そんな膠原病の検査内容、費用の目安、難病医療費助成制度、高額療養費制度や民間医療保険を解説します。

監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センター)
【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)
診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科
膠原病の検査の種類と費用の目安

膠原病の診断ではどのような検査を受けるのか教えてください
膠原病の診断のために、まず血液検査を行います。炎症の程度をみるCRPや赤沈、貧血や白血球・血小板の異常を確認する血算、肝機能・腎機能、補体、免疫グロブリンなどを調べます。自己免疫の異常を調べる検査として、抗核抗体、リウマトイド因子、抗CCP抗体、抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、ANCAなども検討します。抗核抗体は膠原病の診断を進めるうえで基本的なスクリーニング検査ですが、陽性だけで膠原病と診断できるわけではありません。症状やほかの検査結果と併せて判断します。
また、尿検査も重要です。全身性エリテマトーデスや血管炎症候群などは腎臓に炎症が起こることがあり、尿蛋白や尿潜血が手がかりになることがあります。必要に応じて、関節エコーやレントゲン、CT、MRI、心電図、心エコー、呼吸機能検査などを行い、関節、肺、心臓、腎臓、血管などの状態を確認します。
膠原病の検査は保険適用になりますか?
症状や診察所見から膠原病が疑われ、医師が診断や治療方針の判断に必要と考えた検査は、通常は保険診療として行われます。血液検査や尿検査、画像検査なども、医学的に必要な範囲であれば保険適用の対象です。ただし、希望による健康チェックや、医学的な必要性が明確でない検査は、自費扱いになることがあります。また、検査項目によっては、同じ日に複数行っても算定できる項目に制限があるなど、診療報酬上のルールがあります。自己抗体検査にも、検査ごとに算定条件や回数の制限が定められているものがあります。
検査費用の目安はどのくらいなのですか
検査費用は、初診か再診か、検査項目の数、画像検査の有無、医療機関の種類、自己負担割合によって変わります。3割負担の場合、血液検査と尿検査を中心に行う初回の検査は、診察料を含めて3,000〜10,000円前後になることがあります。自己抗体を複数調べたり、補体や感染症検査、肝腎機能、尿検査などを広く確認したりする場合は、10,000円を超えることもあります。
さらに、CTやMRI、心エコー、呼吸機能検査などを追加する場合は、検査内容によって数千円から1万円以上追加になることがあります。
膠原病の検査は、最初に一度だけ行って終わりではありません。診断後も、病気の活動性や薬の副作用を確認するために、定期的な血液検査や尿検査を行います。費用が心配な場合は、受診時に検査の目的とおおよその費用を確認しておくとよいでしょう。指定難病に該当する場合は、条件を満たすことで医療費助成の対象になることもあります。
膠原病における難病医療費助成制度の活用

難病医療費助成制度とはどのような制度ですか?
難病医療費助成制度は、指定難病と診断された方の医療費負担を軽減するための制度です。指定難病とは、原因が明らかでなく、治療方法が確立しておらず、長期の療養が必要になる病気のうち、国が定めた基準に基づいて指定されたものです。制度の対象として認定されると、指定難病に関する診療、薬、検査などについて、医療費の自己負担が軽減されます。自己負担上限額は、所得や病状、医療費の状況などによって異なります。
膠原病のすべてが対象になるわけではありません。例えば、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎・多発性筋炎、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、シェーグレン症候群などは指定難病に含まれます。一方で、関節リウマチは通常、指定難病医療費助成の対象ではありません。
膠原病で難病医療費助成を受けるための申請の流れを教えてください
膠原病で難病医療費助成を受けるには、まず主治医に対象疾患に該当する可能性があるかを確認します。対象となる可能性がある場合は、都道府県または指定都市が定める指定医に、臨床調査個人票を作成してもらいます。臨床調査個人票は、病名、症状、検査結果、重症度などを記載する診断書のような書類です。
そのうえで、申請書、臨床調査個人票、健康保険証の情報、マイナンバー関連書類、世帯の所得を確認する書類などをそろえ、住んでいる都道府県・指定都市の窓口に申請します。申請先は自治体によって異なり、保健所などが窓口になることがあります。
申請後、自治体で審査が行われ、認定されると特定医療費受給者証が交付されます。受給者証が届いた後は、指定医療機関で対象疾患に関する医療を受ける際に提示することで、自己負担上限額に基づいた医療費助成を受けられます。制度の手続きや必要書類は自治体によって異なるため、申請前に自治体の案内を確認しておくとよいでしょう。
膠原病が軽症の場合でも医療費助成を受けられますか?
膠原病が軽症の場合でも、一定の条件を満たせば医療費助成の対象になることがあります。指定難病の医療費助成は、原則として、診断基準を満たしたうえで、重症度分類に照らして病状の程度が一定以上であることが認定の条件です。ただし、重症度の基準を満たさない場合でも、医療費が高額な状態が続いている場合は、軽症高額該当として認定されることがあります。そのため、症状が落ち着いていても、検査や薬の費用が継続的にかかっている場合は、助成の対象になる可能性があります。
自分が該当するかわからない場合は、主治医や医療機関の相談窓口、自治体の難病担当窓口に確認するとよいでしょう。

