企業のクリエイティブ領域で進む生成AI活用 公表への慎重さと運用課題も明らかに

生成AIという言葉が、特別なものではなくなりつつあります。文章のたたき台を作る、アイデアを広げる、画像や動画制作のヒントにするなど、日々の業務の中で自然に活用される場面も増えてきました。特にマーケティングやクリエイティブの領域では、スピードや表現の幅を広げる手段として期待される一方で、品質や権利、ブランドらしさとの向き合い方も問われています。便利なツールとして広がるほど、企業としてどのように使い、どこまで公表するのかという判断も必要になります。

こうした中、株式会社アマナは、企業のマーケティング・クリエイティブ担当者400名を対象に「AI×クリエイティブに関する実態調査」を実施。調査からは、生成AIの活用が着実に進んでいる一方で、社外への公表や運用体制の整備には、まだ慎重な姿勢も見えてきました。

クリエイティブ領域で生成AI活用が広がる

まず注目したいのは、クリエイティブ領域における生成AIの活用状況です。調査では、生成AIを「活用している」と回答した企業が59%となり、半数を超える結果となりました。一方で、「活用していない」と回答した企業は41%でした。この数字からは、生成AIが一部の先進的な企業だけに使われているものではなく、企業の実務の中に少しずつ入り込んでいる様子がうかがえます。広告やブランド、事業企画など、クリエイティブに関わる現場では、アイデア出しや資料作成、表現の検討など、さまざまな場面でAIが使われ始めていると考えられます。

もちろん、すべての企業が同じように活用しているわけではありません。業種や社内体制、扱う情報の性質によって、使いやすさや導入のしやすさには差があります。それでも、約6割が活用しているという結果は、生成AIが企業のクリエイティブ活動において、すでに無視できない存在になっていることを示しています。

制作だけでなく、評価や意思決定にも影響

生成AIの影響は、単に制作工程の一部にとどまっていないようです。調査では、61.75%が「クリエイティブの評価や意思決定に影響している」と回答しました。

これまで生成AIは、文章や画像の生成、アイデア出しなど、制作を補助するツールとして語られることが多くありました。しかし今回の結果を見ると、AIはアウトプットを作るだけでなく、その内容をどう評価するか、どの方向性を選ぶかといった判断にも関わり始めていることがわかります。

たとえば、複数の案を短時間で比較したり、初期段階のビジュアルイメージを確認したりすることで、企画や制作の進め方が変わる場面もありそうです。人がゼロからすべてを考えるのではなく、AIが出した案をもとに議論し、判断を重ねていく流れが生まれているのかもしれません。

一方で、意思決定に影響するからこそ、AIが出した内容をどのように受け止めるかも重要になります。便利さだけでなく、情報の正確性や表現の適切さを確認する目も、これまで以上に求められそうです。

配信元: リアルプレス