クレジットカード売上の早期決済代行サービスを手がける全東信が7月6日、大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債額は約1259億2900万円に上り、2026年に入ってから最大規模の倒産となる。全国約20万店規模の加盟店、特に飲食店への影響は避けられず、ネット上では「1カ月分の売上が消えるかもしれない」といった悲鳴や、連鎖倒産を懸念する声が急速に広がっている。
全東信は06年9月に設立され、前身の組合を含めると40年近くの実績を持つ決済代行の老舗だ。帝国データバンクによると、飲食店を中心とした加盟店に対し、クレジットカードの売上代金を本来の入金日よりも前に立て替えて支払う「立替スキーム」を提供するなどして需要を拡大してきた。キャッシュレス決済の普及を背景に、20年3月期には年収入高約80億円を計上していた。
しかし、その後のコロナ禍による飲食店の時短や休業が直撃し、営業活動が停滞。業績は大幅な赤字に転落した。さらに24年1月には、審査の通らない飲食店の加盟店契約を他人名義で結んだとして社員らが逮捕され、法人としての同社も組織犯罪処罰法違反の疑いで書類送検される事態が発生した。この不祥事による信用不安の表面化が引き金となり、資金調達が行き詰まって今回の自己破産へと至った。
桑田氏「夜業界は見ての通りてんやわんやです」
今回の倒産劇に対し、ホストクラブなどを経営する実業家の桑田龍征氏は7日、自身のXで「夜業界は見ての通りてんやわんやです 夜の街のカード端末と言えば全東信です 昨今楽天なども台頭しており手数料の値下げ競争でしか差別化出来なくなったことが影響したかもですね」と指摘。さらに「この爆風で金融機関が貸してくれないお店は全て消し飛ぶレベルの事件」と投稿し、現場が被る被害の深刻さに警鐘を鳴らしている。また、弁護士の山岸久朗氏は6日のXで「私のインスタのストーリーズには、『1ヶ月分の飲食代が踏み倒される!どうしよう!』と怨嗟の声が続々と続いてます」と緊迫した現状を伝えている。
実際に破産管財人のリリースによると、全東信のクレジット端末は今後一切使用できなくなり、まだ受け取っていない未収売上金は法律上「破産債権」として扱われるため、約束されていた期限に支払われることはない。配当の見込みも限定的とみられ、飲食店にとっては死活問題だ。飲食業の業界団体、日本飲食団体連合会(食団連)も6日、加盟店に対して端末の即時停止と未入金売上代金の即時集計、代替決済手段の確保を緊急で呼びかけている。
さらに7日には主な支援策として、取引先の倒産などで一時的に資金繰りが悪化した中小企業を対象とする、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)」によるつなぎ資金の確保を求めたり、信用保証協会の「セーフティネット保証1号」の別枠保証の活用が可能となるよう、食団連が指定されるよう働きかけを行うと説明。これらの申請や税務上の貸倒処理に必要な、カード売上明細や入金履歴など、未入金額を証明できる資料の整理や保管するよう求めている。
全東信 破産管財人からのリリース
各位
破産管財人からのお知らせ
破産者 株式会社全東信
破産管財人 弁護士 印 藤 弘 二
株式会社全東信(以下「当社」といいます。)は、本日、大阪地方裁判所に破産手続開始の申立てを行い、2026年7月6日午後0時(正午)、同裁判所から破産手続開始決定(令和8年(フ)第3500号事件)を受け、当職が破産管財人に選任されました。
破産手続の開始により当社は事業を停止し、今後当社の財産はすべて当職が管理いたします。
つきましては、あわせて特に重要と考えられる以下の事項をお知らせしますので、ご承知くださるようお願いいたします。
1 加盟店の皆様へ
(1)クレジット端末機の使用等について
破産手続開始により、加盟店と当社との間のクレジットカード決済代行及びこれに付帯する一切のサービス(以下「本件サービス」といいます。)は中止いたします。
したがって、当社のクレジット端末機は今後一切使用することができません。
仮にクレジット端末機が作動することがあっても、本件サービスをご利用いただくことは一切できませんので、くれぐれもご注意ください。
(2)クレジット売上金の取扱いについて
破産手続開始までの間にご利用いただいた本件サービスに係るクレジット売上金のうち、破産手続開始までに当社からの立替支払を受け取られていない売上金(以下「未収売上金」といいます。)は、法律上、破産手続における破産債権として取り扱われ、従前当社がお約束していた期限に弁済することはできません。
未収売上金に対する破産手続上の配当(通常の場合、割合的な弁済です)が見込める可能性が生じた段階で、改めて破産債権届その他必要な手続をご案内いたします。
(3)今後のクレジットカード加盟店契約について
当社の破産手続開始とそれに伴う本件サービスの中止により、今後、加盟店がクレジットカードの利用を再開されるには、改めてカード会社と加盟店契約を締結されることが必要となると予想されます。
お手数ですが、その必要に応じ自ら手続をされるようお願いいたします。
2 皆様(加盟店・債権者・債務者・財産所持者その他利害関係のある一切の方々)へ
(1)お問い合わせ先について
破産手続に関するお問い合わせは、下記破産管財人室までご連絡ください。
【お問い合わせ先】
破産者 株式会社全東信 破産管財人室
住 所:〒542-0082大阪市中央区島之内1丁目14番14号 全東信本社ビル
電 話:06-4704-4681
FAX:06-4704-4675
受付時間:10:00~17:00(土日祝日を除く)
(2)お問い合わせにつきご留意願うこと
当社の事業停止・破産手続開始に伴う従業員の解雇・退職等により、破産管財人室の運営体制は限定されたものとなっておりますため、電話が繋がりにくい場合がありますことを予めご了承ください。
なお、電話が繋がりにくいなどの事情があるときは、必要に応じFAXかお手紙をお送りください。ただし、その場合でも運営体制に関する上記事情のため、適時のお返事ができないことがあります。
(3)ホームページ上での告知について
今後も必要な情報があるときは、随時、このホームページ上でお知らせいたします。必要に応じて閲覧下さい。
以上
