お酒を吐いた後どんな病気を発症する可能性がある?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「お酒を飲むと吐く」原因はご存知ですか?気持ち悪くなる原因も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
お酒を吐いた後どんな病気を発症する可能性がある?

マロリー・ワイス症候群
お酒を飲んで吐き出すと何度も吐くことがあるかと思います。この嘔吐をするときはお腹に力が入り、胃の中のものを吐き出そうとするため、かなりの腹圧がかかります。これを繰り返すなどすると、胃と食道の間の粘膜が裂けてしまい出血を起こし、吐血します。これを「マロリー・ワイス症候群」と言います。傷が小さいのであればそのまま様子を見て傷がふさがるのを待つこともありますが、たまに大きく裂けてしまい傷を塞ぐ必要があるケースもあります。吐血を認めた場合は胃カメラを行い、必要に応じて止血処置を行います。吐いた物に血液が混じっているのであればすぐに救急外来、消化器内科を受診しましょう。
誤嚥性肺炎
嘔吐を起こすと、胃の中の吐物が気道(空気の通り道)に入り込むことがあります。その時、口の中の雑菌なども一緒に気道に入り込み、肺に落ち込むことで感染を起こします。これを誤嚥性肺炎と言います。誤嚥性肺炎は高齢になり飲み込む力が落ちた人に多い病気ですが、飲酒で意識がなくなっているときでも起こり得ます。飲酒、嘔吐の後で熱がでる、咳が出る、息苦しいなどの症状があれば病院を受診しましょう。
窒息
上の項でも書いた通り、嘔吐した時に食べたもの、吐いたものが気道、気管に入り込むことがあります。大量のお酒を飲んだ時には意識を失うこともあり、意識がない状態で吐いたものが気管に入り込んで詰まると窒息してしまうこともあります。
意識がない人が吐いている時などは息をしているか確認、横向きに寝かせて(回復体位)吐いたものが詰まらないようにする、救急車を呼ぶなどしてください。
アルコールによって意識がないのか、ただ単に寝ているだけなのかわからないこともあるかもしれません。ただ、アルコールを飲みすぎた場合は窒息、その他急性アルコール中毒等命に関わることも多々あります。少しでもおかしいと思ったなら迷わず救急車を呼んでください。
「お酒を吐く」についてよくある質問

ここまでお酒を吐くについて紹介しました。ここでは「お酒を吐く」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
お酒を吐くと体内のアルコールは抜けるのでしょうか?
岡本 彩那 医師
お酒を飲んでいるときに嘔吐したとしても、それはまだ吸収されずに胃に残っているアルコールを外に出すことにしかなりません。アルコール自体は胃や小腸で速やかに吸収されてしまいますし、吸収されたアルコールは吐いても体外に出ていくことはありません。吐いたときに「楽になった」と感じることはあるかもしれませんが、「アルコールが抜ける」というよりは「これ以上吸収されないようにする」という形になり効果は限定的です。もちろんアルコールを飲んでからしばらく時間経過していた場合は既にアルコールが吸収された後になるため、吐いても効果がありません。

