ソニーが「2028年1月以降に発売するPlayStation向け新作ゲームについて、物理ディスク(パッケージ版)の生産を終了する」と発表したことを受け、海外で反発の声が広がっている。
今回の決定に対し、オンライン署名サイト「Change.org」で開始されたディスク生産継続を求める署名活動には、7日午後6時の段階ですでに16万筆を超える署名が集まっている。この動向は、単なるゲームファンのこだわりにとどまらず、コンテンツのデジタル化が進む現代社会における「消費者の所有権」という、ジャンルを超えた普遍的な課題を浮き彫りにしているといえるだろう。
ゲームの所有権、そして雇用への影響
この署名活動は、カナダの独立系ゲーム小売店「PNP Games」が「Don’t Kill the Disc(ディスクを殺すな)」と銘打って開始したものだ。署名ページでは次のような主張が展開されている。
「ディスクは、あなたが実際に所有できるゲームです。人に貸したり、下取りに出したり、中古として売却したり、プレゼントしたり、コレクションしたり、あるいは子供へ受け継いだりすることができます。一方で、ダウンロードコードだけが入ったパッケージは、それと同じものではありません。それはプラスチックのパッケージに入ったデジタルライセンスです。あなたが所有しているわけではなく、利用する権利を借りているだけであり、その権利は取り消される可能性があります。実際に、購入した映画がライブラリから削除された事例や、発売から数週間でゲームの販売が終了した事例も、すでにあるのです」
「これは雇用の問題でもあります。パッケージ版ゲームは、完全デジタル化の未来が静かに消し去ろうとしている産業全体を支えています。小売店、流通業者、製造業者、倉庫・物流業界、中古販売・下取り市場、そしてコレクターやゲームの保存活動に携わるコミュニティーなどです。そこには何千もの雇用と、数え切れないほどの中小企業が関わっています。物理メディアを廃止することは、消費者の選択肢を奪い、地域経済を弱体化させるだけでなく、購入したゲームにどのような形でアクセスするのか、あるいはそもそもアクセス自体できるのかという権限を、一握りのプラットフォーム事業者へ完全に委ねることを意味するのです」
主催者側はそのうえで、「私たちはデジタルそのものに反対しているのではありません。反対しているのは、デジタルが唯一の選択肢になってしまうことです」と、自身のスタンスを明確にしている。
「最も忠実な顧客を裏切らないで」
この問題提起は多くのユーザーに受け入れられ、署名ページのコメント欄には、ディスクメディアに対する強い思い入れや、コンテンツを物理的に所有することの重要性を指摘する意見が数多く書き込まれている。
ある賛同者は、「デジタルにおける所有権の問題が十分に解決されるまでは、物理メディアが存続することが極めて重要だ。私は30年間PlayStationを支持し続けてきた。その歩みを続けるかどうかは、この決断にかかっている。ソニーよ、長年あなたを支えてきた最も忠実な顧客を裏切らないでほしい」と訴えている。

