幼い子どもの言葉には、大人が思いも寄らない不思議さを感じることがあります。娘がまだ2歳くらいだったころ、何げない日常の中で、今でも忘れられない出来事がありました。楽しそうに誰かと話す娘の姿に、最初は微笑ましさを感じていた私。しかし、娘の口から返ってきた言葉に、思わず驚いてしまったのです。
窓際で誰かに話しかける娘
当時の娘は、少しずつ言葉を覚え始めたころでした。言葉はまだたどたどしいものの、一生懸命に私へ話しかけてくれる姿がかわいらしく、日々の成長を感じていました。
ある日、娘が窓際に向かって何かを一生懸命話していました。私は、窓の外に鳥がいたのか、散歩中の猫でも見えたのかなと思い、「鳥さんか猫さんとお話ししてたの?」と声をかけました。
すると娘は、「あのね、おじさんが言っちゃダメって言ってる」と答えたのです。
誰もいない場所を指して
私は思わず驚き、「えっ? おじさんってどこにいるの?」と聞き返しました。すると娘は、窓際のある一カ所を指さしながら、「ここにおじさんがいるよ」と言いました。けれど、そこには誰もいませんでした。少なくとも私の目には、娘が言う「おじさん」の姿は見えませんでした。
娘は、まるで本当にそこに誰かがいるかのように話していました。怖がっている様子はなく、むしろ楽しそうに会話をしていたため、私は不思議な気持ちになりながらも、その場では深く追及しませんでした。
その後、娘が同じようなことを言うことはありませんでした。けれど、あのとき娘が話していた「おじさん」はいったい誰だったのか、今でもふと思い出すことがあります。

