日射病の症状と原因、治療法

日射病の症状を教えてください
日射病の症状に関して、現在使用されている熱中症の重症度分類を参考にみていきましょう。熱中症の症状は軽症から重症まで段階的に現れます。かつて日射病と呼ばれていた病態は、多くの場合熱中症分類のなかのⅢ度に当てはまると考えられます。■ Ⅰ度
・症状:めまい、立ちくらみ、生あくび、多量の発汗、筋肉痛
■ Ⅱ度
・症状:頭痛、吐き気や嘔吐、全身倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
■ Ⅲ度
・症状:意識障害、けいれん発作、手足の運動障害など神経症状
■ IV度
・症状:深部体温が40度以上に上がり、意識がほとんどない状態
熱中症のなかで重症の段階であるIII度になると、意識がもうろうとして呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けないなどの重い神経症状が出現します。そのほかにもけいれん発作が起こることもあります。さらに病状が進行すると、意識がほとんどない昏睡状態となります。
なぜ日射病になるのですか?
日射病の発症には環境、からだ(体調)、行動の3つの条件が大きく関与します。特に環境要因は、日射病の場合は太陽光が体温上昇の直接的な原因となり、さらに気温や湿度などの条件が重なることで発症する可能性が高まります。それぞれの条件の具体的なものは以下のとおりです。
環境:太陽光に直接当たる、気温が高い、湿度が高い、風が弱い
身体:高齢者、乳幼児、脱水、体調不良
行動:激しい運動、慣れない運動、長時間の屋外作業、水分が補給しにくい環境
通常は体温が上昇すると熱を皮膚の表面から逃がしたり、汗をかいて熱を逃がしたりします。しかしこの3つの条件がそろうと、体温の上昇と調節機能のバランスが崩れてしまい、身体に熱が蓄積されてしまいます。
日射病を治療する方法を教えてください
軽症の場合は、全身を冷やしながら塩分と水分補給する治療を行います。涼しい環境で安静にして、衣服を緩めて身体を冷やします。水分摂取が可能であれば、経口補水液や食塩水を摂取し、経口摂取が難しい場合には点滴が行われます。また、血液検査で電解質などの異常所見があれば、それを補正する治療も行われます。
日射病は、分類としては熱中症の重症に相当する場合があります。重症の場合は、まずはできるだけ早く深部体温を下げる必要があります。Active Coolingと呼ばれる積極的に身体を冷やす治療を開始します。これは、患者さんの身体を外側から、あるいは体内から積極的に冷却する方法のことです。同時に脱水に対する点滴も行われます。重症例ではActive Coolingを含めた集学的治療が必要です。呼吸の状態、血圧などの循環動態、肝臓や腎臓などの臓器の障害、DICの状況に応じてそれぞれに対する治療が行われます。
編集部まとめ

現在では日射病という用語は正式には使用されず、熱中症に含まれる概念となっています。かつては、日射病は太陽光によって起こる熱中症を指しており、現在でも一般的に使われることがあります。重症化するとさまざまな合併症を引き起こし、命に関わる可能性もあります。予防策を徹底することが大切ですが、万が一症状が現れた場合は適切に対処しましょう。重い症状があればすぐに医療機関を受診してください。適切な知識と対策で、暑い夏を元気に過ごしましょう。
参考文献
https://jams.med.or.jp/dic/heat.html
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdfhttps://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
https://core.ac.uk/download/pdf/159400782.pdf
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902209592199040&e=reference%2Farticle&utm
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