●なぜ被告と検察の両方が控訴したの?
被告人だけが控訴した事件では、控訴審は第一審より重い刑を言い渡せません。 これを「不利益変更禁止の原則」といいます(刑事訴訟法402条)。
被告人が重い刑をおそれて控訴をためらわないよう、控訴する権利を守る趣旨です。
一方、検察官も控訴した場合は、この原則は働きません。控訴審が第一審より重い刑を言い渡すこともできます。
つまり、被告人だけが控訴すると、刑は今のままの懲役30年か、それより軽くなる可能性しかありません。
検察があくまで無期懲役を求めるのであれば、自ら控訴しておく必要があります。 これにより、控訴審で無期懲役が言い渡される可能性が残ることになります。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

