脳出血の代表的な症状
脳出血は突然発症し、急激な症状を呈します。さらにそれらが後遺症となって、その後の患者さんの人生を大きく左右します。具体的には運動麻痺や感覚障害、呂律困難、嚥下障害といった神経の症状、突然の頭痛やめまい・嘔吐といった身体的な症状に加え、重症では意識不明になるなど、脳出血の部位や量に応じて多彩な症状を認めます。
脳は基本的に体の反対の動きや感覚を司っています。つまり右側の脳に出血が生じると、左の手足や顔面の麻痺、感覚を感じにくくなるといった具合です。また右利きの人の9割は左側の大脳の、特に前頭葉や側頭葉と呼ばれる場所に言語機能の中枢があります。従ってこれらの場所に出血した場合は、言葉が出にくくなったり、言葉の理解ができず意思疎通ができなくなったりする失語(言語障害)と呼ばれる症状を呈します。
その他に、例えば後頭葉と呼ばれる箇所は視覚に関わり、損傷すると部分的に視野が欠けてしまいますし、頭頂葉と呼ばれる箇所は空間認識や物事の処理・段取りなどに関わり、損傷するとそれらの複雑な処理能力が障害される可能性があり、大脳の損傷部位によって症状は様々です。
大脳以外に、大きく分けて小脳、脳幹とよばれる部分もあります。小脳は体のバランスなどを保つ役割をしていて、出血するとめまいや嘔吐、ふらついて立てない、物をうまくつかつかめない、といった症状を認めます。
また脳幹は呼吸、心拍、意識などの生命活動といった役割を果たし、文字通り生命の根「幹」となる非常に重要な場所です。従って脳幹の出血は生命の危機に直結することも多く、大変危険な場所です。
「脳出血の余命」についてよくある質問
ここまで脳出血の余命などを紹介しました。ここでは「脳出血の余命」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
脳出血は何年生きることができるのでしょうか?
佐々木 弘光(医師)
脳出血の余命を一概に説明することは難しく、出血の原因や出血量、部位、重症度によっても大きく異なってきますが、一般的な平均余命から10年程度短くなる可能性が考えられます。一方で高血圧性脳出血に限っては、男性は40歳台から、女性でも50-60歳台からと、比較的若年から発症頻度が増えます。従って、一命をとりとめ、麻痺などの後遺症が残ってしまっても、その後の外来通院による再発予防やリハビリによる後遺症の軽減を通じて、10~20年以上の長期的な余命も期待できます。特に若年者やもともとの健康状態が良い人ほど、残されている筋力や潜在的な脳機能に余力がある可能性が高いので、長期生存する可能性は高いとも考えられます。

