声をかけてくれた若者
声をかけてくれたのは、私の斜め後ろに座っていた男性でした。
サングラス、ジャラジャラとした金のネックレス、細身のデニム、金髪姿のとても若い男性。普段接することのないような人に突然声をかけられて驚いていると「あのっ、よかったらここ! どうぞ!」と、ハキハキした声でそう言ってくれたのです。
「なんか、しんどそうに見えたから」
「あのっ、違ったらすみません!」
そう慌てる男性に「ありがとうございます、妊娠中でしんどくて」と言うと、さらに慌てて「えっ、どうぞ! 気づくのが遅くてすみませんっ!」と言ってくれました。
見知らぬ私を助けてくれたことへの感謝
譲ってもらった席に座ると、少しずつ気分の悪さが落ち着いていきました。
席を譲ってくれた男性がバスを降りようとしていたので、「あの、ありがとうございました!」と声をかけました。男性はこちらを向いて親指を立て、そのままバスを降りて行ったのです。
とても嬉しい気持ちのまま、無事に健診へ。あの男性が気づいてくれたこと、勇気を出して見知らぬ私を助けてくれたこと。すべてが嬉しく、ほっこりとした気持ちになりました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:清水マキ
育児を機にキャリアを転換し、独学からライター講座の添削講師まで登り詰めた実力派。PTAやスポ少での積極的な交流から、ママたちの「ここだけの話」を日々リサーチ。金融記事も手がける確かな知性と、育児に奮闘する親としての等身大な目線を掛け合わせ、大人女性のライフスタイルから切実な悩みまでを鋭く、温かく描き出す。

