俳優の仲野太賀が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合など)の第27回が12日に放送され、松下洸平演じる徳川家康が10週ぶりに登場。本作前半のヤマ場となる「本能寺の変」が描かれるなか、織田信長(小栗旬)に対して密かに恨みを募らせ、毒薬を持ち歩いていることを明かす場面に、大河ファンの注目が集まった。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる兄・秀吉(池松壮亮)を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
「築山殿は出てこなかったけど、仲は悪くなかったのだろうなぁ」
この日の放送では、本能寺の変に至るまでのさまざまな人物の思惑や因縁が丁寧に描かれた。家康は信長の建てた安土城を訪れ、信長は明智光秀に饗応役を任せて歓待。光秀は鯉の煮つけでもてなすが、信長は自分の鯉が客人の家康のものより大きいという理由で取り替えさせた。すると家康は、煮つけの匂いを嗅いで、毒が入っているかもしれないと危惧する。ネズミに毒見させた結果、実際に毒が仕込まれていたことが判明。信長は、自身を狙った企みだと激怒し、犯人を知らないと言い張る光秀を何度も殴打し、飛び蹴りまで浴びせた。その後、丹羽長秀(池田鉄洋)の調べで黒幕が光秀の娘婿で自身の甥の信澄(緒形敦)と判明し、信長は四国攻めに向かう途中の信澄の後を追い、切腹させるよう命じた。
実は、武田家への内通を疑われ処刑された正妻・築山と嫡男・信康のことで信長を恨む家康も、懐に毒を忍ばせていた。驚く石川数正(迫田孝也)に対し、家康は「その気になればいつでもやれると思いたかったのじゃ。そうでなければ自分を抑えられぬ気がしてな。わしは妻と子を手にかけてまで生き残ったんじゃ。こんなことで台無しにはせぬ」と胸の内を明かした。
松本潤演じる家康を主役に据えた「どうする家康」(2023年)では、第25回「はるかに遠い夢」まるまる1話使って描かれた築山殿事件。家康の本心と同じように、戦のない平和な世の中を築きたいという理想を追い求めた瀬名(築山)が、水面下で武田勝頼を含む周辺各国の大名と和解交渉を進めていたことが仇となって、家康が責任をとらされるという悲劇が多くの視聴者の涙を誘った。
家康と築山、信康の実際の関係については諸説あるが、今作では安藤サクラのナレーションと側近・石川数正(迫田孝也)の説明という限られた描写の中で、家康が背負う喪失感や無念を巧みに表現。信長への復讐のためではなく、「その気になればいつでもやれる」という心の支えとして毒を持ち歩く姿は、乱世を生き抜くために感情を抑え込む家康の複雑な人物像を印象づけ、「本能寺の変」を光秀だけでなく、信長に複雑な感情を抱く武将たちの視点からも描いた今回の演出は、歴史の転換点へ至る背景に説得力を与えていた。
SNSには
「そうだよな、家康にも信長を恨む理由はちゃんとある」
「やっぱり松下家康の描き方うまいなぁ…安い腹黒キャラじゃなくて『人間味』があるわ」
「築山殿は出てこなかったけど、家康殿の様子だと家族の仲は悪くなかったのだろうなぁ」
「この家康なら毒盛るよな」
といった声がズラリと並んだ。
また、抱える苦悩を明かした家康に魅了される視聴者は多く、
「毒薬をお守りにする家康で一年見たい」
「築山事件で心乱れる洸平さんの家康見たかったわ〜」
などのリクエストも寄せられていた。

