女優の樋口日奈が、仲野太賀主演のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合ほか)第27回「本能寺の変」(12日放送)で、戦国史最大の転換点の遠因となる重要人物・ちよを好演した。大河ドラマ初出演となった樋口は、「この物語においてどれほど大切な意味を持つのかを感じ、身の引き締まる思いがしました」と撮影を振り返っている。
この日の放送では、本作前半のヤマ場となる「本能寺の変」が、史実を踏まえながらも登場人物それぞれの感情や因縁を積み重ねる独自の視点で描かれた。なかでも、織田信長(小栗旬)に誅殺された夫・信勝(中沢元紀)の無念を幼い息子・信澄(緒形敦)へ託したちよの存在は、20年後の悲劇につながる「遠因」として視聴者に強い印象を残した。
ちよは、夫の仇を討ち、織田家の当主となるよう幼い信澄へ繰り返し言い聞かせ、この世を去る。やがて信澄は明智光秀(要潤)の娘婿となり、その復讐心が信長への屈辱を積み重ねてきた光秀の葛藤と重なることで、本能寺の変へとつながる決定的なきっかけの一つとなった。幼い息子へ20年越しの復讐につながる言葉を刻み込む場面を鬼気迫る芝居で演じた樋口は、母としての愛情と夫を失った妻の執念を繊細に表現し、物語に大きな説得力を与えた。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる秀吉を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
樋口日奈 コメント
――大河ドラマ初出演が決まったときの率直な心境は?
「素晴らしく偉大な皆さまによって紡がれていくこの大河ドラマに、自分も参加させていただけること、まるで夢のような気持ちで、とても嬉しく思いました。
歴史が大きく動く出来事の根底にあった、信澄の母・ちよの思い。その複雑で重い感情が、この物語においてどれほど大切な意味を持つのかを感じ、身の引き締まる思いがしました」
――撮影に臨むにあたり監督と話し合ったこと、また演じるうえで大切にした点
「幼い信澄と向かい合ったときは母の顔。でも夫の無念を心の内に宿したときのちよは妻の顔。そんな2つの思いや表情、複雑さを表現できたらと、監督とお話しをさせていただきました。
父の無念を晴らせと言われ続けた信澄にとって、母であるちよの言葉は忘れられない願いであると同時に、逃れられない呪いのようなものであったのだと感じます。だからこそ、一つ一つの言葉を重く、大切に発することを心がけました」

