そんな宇垣さんが映画『四月の余白』についての思いを綴ります。
●作品あらすじ:元半グレで元受刑者の西健吾は、更生施設「みらいの里」を運営し、問題を抱えた少年少女たちの更生に尽力している。ある日、他者の痛みを理解できず暴力を繰り返す中学生・海斗を預かることになり、西は真正面から向き合おうとする。しかし海斗は施設を脱走し再び事件を起こし、西自身の封印していた過去も明るみに出る。少年を救うことは自らの贖罪にもつながると信じ、人は変われるのかという問いに挑む再生と希望を描いた人間ドラマを宇垣さんはどのように見たのでしょうか?(以下、宇垣美里さんの寄稿です)
正しいかもしれないけど優しくない思考
ヤンキーが雨の日に猫を拾ったらときめかれるって変じゃないか、と常々思っていた。優等生が拾ったほうが猫も何かとありがたいだろ。猫には優しいのかもしれないけど、授業を妨害したり誰かを殴ったりする人のこと、どうしたって私は怖い。
実は優しいところがある人よりも、ずっと優しい人のほうが偉いに決まっている。でも今は、正しいかもしれないけど優しくないこの思考では救えない人のことを、ずっと考えている。
非行に走ろうとする子どもに手を差し伸べる元受刑者
元半グレで元受刑者でもある西健吾は、今は全寮制更生施設「みらいの家」を運営し、日々非行に走ろうとする子どもたちに手を差し伸べる活動をしている。ある日、中学教師の冬子から手に負えない生徒・海斗の相談を受けた西は、彼を「みらいの家」に引き取ることに。しかし、海斗は施設での共同生活の中でも幾度となく問題を起こし、脱走した挙句に傷害事件を起こし逮捕されてしまう。
それでも更生を信じ、海斗と向き合い続ける西だったが、メディアによって西の過去が報道され、「みらいの家」は存続の危機に直面する。

