「腹膜播種で腹水」が溜まる原因はご存じですか?腹膜播種になりやすいがんも医師が解説!

「腹膜播種で腹水」が溜まる原因はご存じですか?腹膜播種になりやすいがんも医師が解説!

腹膜播種を発症しやすい病気・疾患

胃がん

胃がんは胃の内側を覆う粘膜にがんが発生したものです。胃がんは進行すると、外側に向かって浸潤していきます。そして、胃を覆っている漿膜のさらに外側にがんが広がっていきます。がんが漿膜の外側に飛び出すと、腹腔内にがん細胞が散らばり、腹膜播種をきたすことがあります。中でも、スキルス胃がんというタイプの胃がんでは、通常の胃がんとは異なり胃の壁を這うように固く厚くさせながら広がっていきます。このスキルス胃がんでは、進行がとても早く、腹膜播種が起こりやすいです。症状が現れにくく、気がついたときには腹膜播種がすでに起こっていることも少なくありません。消化器内科を受診し、胃カメラやCT検査による診断が必要です。

卵巣がん

卵巣がんは、卵巣や卵管に発生するがんです。卵巣がんは初期では自覚症状がないことが多いです。進行すると、卵巣が大きくなることにより、ウエストが大きくなったり、膀胱や直腸を圧迫して頻尿や便秘で気が付くこともあります。また、進行すると卵巣を覆う腹膜の外に浸潤し、腹膜播種を起こします。卵巣がんは初期ではわかりにくく、気がついたときには進行していることも少なくありません。気になる症状がある場合には早めに婦人科を受診しましょう。

大腸がん

大腸がんは、大腸の内側の粘膜に発生するがんです。粘膜から発生し、外側に向かって広がっていきます。大腸がんの症状は早期ではわからないことが多いです。がんが大きになると、便に血が混じったり、便秘などの便通異常が出たり、腹痛などの症状が現れます。また、大腸がんが進行し、大腸の漿膜を超えて大きくなると腹膜播種をきたし腹水が溜まることもあります。大腸がんは近年、患者数が増加傾向のがんです。40歳代以降では発生率が上昇傾向にあり、注意が必要です。

膵臓がん

膵臓がんとは、胃の裏側にある膵臓という臓器に発生したがんです。膵臓がんは、早期ではほとんど症状が出ません。進行すると、腹痛や背中の痛み、食欲不振などが起こります。膵臓がんは初期での発見が難しく、気がついたときには進行していることも多いです。進行すると、黄疸や腹水などがみられ、体重減少も起こります。膵臓がんの発生は、10万人当たり35.2人と決して多くはありません。しかし、5年生存率は8.5%と決して予後が良いがんではないため注意が必要です。気になる症状がある場合には消化器内科で相談をしましょう。

腹膜播種で腹水を引き起こす原因

腹膜播種はがんが腹膜に転移していることを指します。腹膜播種が起こると、腹水が溜まりやすいです。なぜ、腹膜播種では腹水が溜まるのでしょうか?
腹膜播種が進行すると、腹膜に転移したがん細胞から産生される血管内皮増殖因子というサイトカインの働きにより、腹膜の血管から水分が漏れ出やすくなります。このため、血管内からの水分がしみだし、腹水が多くみられるようになります。また、がんの転移によりリンパ管がつまることも腹水が貯留する原因の一つとなります。これらの原因が重なり、時に大量の腹水がみられることもあります。おなかの張りや体重増加などの異変があれば、速やかに消化器内科等の専門医療機関を受診してください。

配信元: Medical DOC

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