祖母が足を骨折して寝たきりになったとき、私は「もうひとりでは動けないはず」と思い込んでいました。ところが、ある日の物音をきっかけに、その考えが大きな油断だったのだと気付かされる出来事がありました。体の状態と本人の感覚には、思わぬズレがあるのだと実感した体験です。
寝たきりの祖母の部屋から聞こえた物音
祖母が足を骨折し、寝たきりになっていたときのことです。ある日、祖母の部屋から「ガタガタ」と物音が聞こえてきました。
普段はベッドで過ごしていたため、私は驚いてすぐに部屋へ向かいました。すると、祖母がベッドの柵を乗り越えようとしていたのです。
ベッドの柵を乗り越えようとしていた祖母
祖母は「トイレに行かなきゃ」と必死な様子で、立てないはずの体を動かしていました。私が慌てて止めたときには、すでに体を半分ほどベッドの外へ乗り出しており、あと少しで落ちてしまいそうな状態でした。
その瞬間、本当にヒヤッとしました。祖母にとっては危ないことをしているという認識ではなく、ただ「いつも通りにトイレへ行こう」としていただけだったのだと思います。

