キャンプ料理でおなじみのダッチオーブン。けれど、「ダッチってどういう意味?」と聞かれると、答えられない人も多い。
まず押さえておきたいのは、Dutch(ダッチ)という言葉は「オランダの」という意味を持つ英語だということだ。
では、あの無骨な鉄鍋がなぜオランダを指す名前で呼ばれてきたのか。今回はそのあたりの歴史を解説しよう。
①ダッチオーブンの「ダッチ」とは?

ダッチオーブンの由来にはいくつかの説があるが、もっとも有力なのは、オランダ式の鋳造技術でつくられた鍋がそう呼ばれるようになったというものだ。
17〜18世紀、オランダは金属加工や鋳造技術でヨーロッパ屈指の先進国だった。そのため、このオランダ式の技法を取り入れて作られた鉄鍋は品質が高く、やがて “Dutch oven(ダッチオーブン)” という名前が定着した。
つまり、名前は「オランダ風の技術でつくられた鉄鍋」という意味にある。
②オランダからイギリスへ
当時のオランダでは、乾燥した砂を使う高精度な鋳造法が発達していた。これに目をつけたイギリス人が1700年代初頭にオランダを視察し、この製法を帰国後に応用して鋳鉄鍋の量産に成功する。
当時の文献に “Dutch process(オランダ式製法)” という言葉が見られることから、この説が現在もっとも信頼されている。

ダッチオーブンがまず最初に活躍したのは、家庭のかまどと暖炉だ。
鋳鉄の鍋は熱をじんわり均等に伝えるため、煮込み料理に最適で、ヨーロッパの一般家庭では日常的に使われていた。
フタの上に炭を置けるスタイルのものは、上下から加熱できるという特長を生かし、パンやロースト料理を焼く“簡易オーブン”としても重宝された。

