腹膜播種で腹水を引き起こした場合の治療法
化学療法
がんの種類によっては、腹膜播種による腹水がみられていても、化学療法を行うことで生存期間を延長する可能性があると報告されています。卵巣がん、胃がんでは全身状態にもよりますが、化学療法での生存期間が延長する可能性があり、化学療法が選択されることもあります。主に腫瘍内科や各臓器の専門診療科で入院または外来にて行われます。
手術療法
大腸がんでは、腹膜播種が限局性である場合には病変を完全に取りきることを目的に外科的手術を行ったり、腹腔内温熱化学療法を併用する場合があります。しかし、腹水が多く広範囲にがんの腹膜播種が起こっていると考えられる場合には、化学療法の適応となります。手術を行う場合は数週間の入院が必要となることが一般的です。
腹水濾過濃縮再静注法(CART)
まず、腹膜播種の患者さんの腹水を抜き取ります。その後その腹水を濃縮器にかけ、アルブミンやγグロブリンなどの有効成分を再度点滴で患者さんの体内に戻す治療法です。直接病気を治す治療ではありませんが、大量の腹水がありコントロールが難しい患者さんにたいして、症状を改善するために有効な治療法です。
「腹膜播種と腹水」についてよくある質問
ここまで腹膜播種と腹水についてを紹介しました。ここでは「腹膜播種と腹水」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
腹膜播種が進行するとどうなりますか?
和田 蔵人(医師)
腹膜播種が進行すると、がん細胞から産生される血管内皮増殖因子の影響により血管から水分がしみだしやすくなります。その結果、腹腔内に大量に腹水が溜まるようになります。大量の腹水がみられると、膨満感が出るようになり、さらに進行すると、食欲低下や息苦しさなどがみられます。

