●それでも「分籍」に意味はある?
このようにみてくると、「絶縁」を目的とするとはいっても、分籍は法的な効果を狙って行うものではありません。
以下は私見ですが、分籍により気持ちの区切りをつける、という精神的な意味合いが強いように思います。
あえていえば、扶養義務を定める際に、絶縁を意図して分籍をしたという事情が一定程度考慮される可能性はあるように思います。
たとえば、絶縁を意図して分籍をした後しばらく経って、親が分籍した子に扶養を求めてきたとします。
先に書いたように、分籍しても扶養義務はなくなりません。しかし、分籍までした経緯などが扶養義務の内容を決める際に考慮される可能性はあるように思います。
成人した子が親を扶養する義務は、自分の生活に余裕がある範囲で足りるとされています。 たとえば過去に親から十分に育ててもらえなかった、というような事情は、扶養の程度を決める際に考慮されることがあります(民法879条)。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

