「60代の血圧正常値」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「60代の血圧正常値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧を下げる薬は、正常値を超えたら飲んだ方が良いでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
正常値を超えても「高血圧」と診断されるほどでない場合は、生活習慣の改善で様子をみるケースも多いです。ただし、高血圧によって心筋梗塞や脳梗塞などが起こるリスクが高い方は、早いタイミングで薬を開始することもあります。心臓や脳へのリスクが高いとされる要素を、以下に紹介します。
・65歳以上
・男性
・脂質異常症
・喫煙
・脳や心臓の病気の既往
・心房細動
・糖尿病
・腎臓病
血圧についての不安がある場合は受診し、ご自身の体調を医師に確認してもらうことをおすすめします。
正常値を維持するのに効果的な方法は何でしょうか?
伊藤 陽子(医師)
60代の方が正常値を維持するために最も効果的なのは、生活習慣の改善です。具体的には、以下の内容を心がけると良いでしょう。
・食塩は1日6g未満に抑える
・肥満にならないよう、適正な体重を維持する
・運動習慣をつける
・お酒は控える
・禁煙する
・十分な睡眠をとる
・ストレスをためない
また、血圧が正常値に収まっているかを確認するために、家庭用の血圧計を購入して毎日測定することも大切です。測定した数値は、日付や測ったタイミング(朝もしくは夜)とともに記録しておくと、体調変化を知るのに役立ちます。
60代は50代よりも血圧の数値を気にすべきですか?
伊藤 陽子(医師)
60代は、動脈硬化の進行とともに収縮期血圧(上の血圧)が上がりやすくなります。そのため、50代の頃よりも血圧の数値を気にすることが望ましいです。
また、とくに60代後半の方は、退職にともなって毎年勤務先で受けていた健康診断がなくなり、ご自身の体調変化に気づかないケースも少なくありません。60代になったら少しずつ血圧を測る習慣を身につけ、ご自身の血圧を把握しましょう。持病がない場合、家庭での血圧が115/75mmHg以上(高血圧ほどではないものの、正常値よりは高め)になる日が続くようになったら生活習慣を見直し、135/85mmHg以上(高血圧)が続く場合は、一度内科や循環器内科を受診してみてください。
60代で高血圧気味の場合、何科の病院で治療できますか?
伊藤 陽子(医師)
高血圧の治療の専門は「循環器内科」や「腎臓高血圧内科」です。しかし、それ以外の内科(一般内科、消化器内科、呼吸器内科など)でも、血圧がやや高い程度であれば、一般的な治療は問題なくおこなえます。かかりつけの内科があれば、一度相談してみましょう。もし、狭心症や心不全、不整脈などの心臓合併症が疑われる、複数の薬を使っても血圧が下がらないなどの場合は、かかりつけ医が循環器内科に紹介し、詳しい検査をするのが一般的です。血圧が気になる場合は、近所の内科クリニックを探してみてください。
まとめ 60代は血圧の上昇に注意
60代になると、血圧が上がって「正常値」に収まらない方が増えてきます。正常値を少し上回った程度では、生活習慣の改善で様子をみるケースもありますが、持病や生活習慣の状況によっては早めから薬物治療を開始するケースもあります。
高血圧は放置すると、脳梗塞や心筋梗塞などの重い合併症を引き起こすリスクが高まります。

