子どもの打順にクレームをつけに来たお母さん。でも監督の一言で、その表情がふっと変わりました。9番という打順の見え方が変わった、少年野球での筆者の体験談です。
「なんで9番なんですか?」
息子の所属する野球少年団は、人数が9人ぎりぎり。新しく入った子でも、試合に出られる環境です。今年入団したばかりのある男の子も、その日さっそく試合に出ることになりました。打順は9番でした。
試合後、その子のお母さんが険しい表情で監督のところへやって来ました。
「うちの子、毎日練習に来てるのに、なんで9番なんですか?」
周りの空気が少し止まった気がしました。
そこまで気にするんだ、と少し驚きました。でも、「うちの子をちゃんと見てほしい」という親の気持ちも、わかる気がしたのです。入団したばかりで、それでも毎日一生懸命通っている。その姿を、認めてほしかったのかもしれません。
9番の意味
最初こそ少したじろいだ様子の監督でしたが、少し間を置いてこう言いました。
「9番って、次の1番につなぐ大事な打順なんですよ」
するとお母さんは「……なるほど」と、少しほっとしたように笑いました。
“最後の打順”だと思っていた9番が、“次につなぐ大事な役割”に変わった瞬間でした。

