俳優の仲野太賀が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(総合など)の第28回が19日に放送され、本能寺の変後の兄弟の決意を象徴する「草履」が再び登場した。この草履は、第3・4回(1月18・25日放送)で織田信長(小栗旬)が羽柴筑前守秀吉(池松壮亮)・小一郎長秀(仲野)兄弟に授けた“家宝”で、物語序盤に登場した重要なモチーフ。約半年にわたる伏線が、「本能寺の変」という最大の転機を経て鮮やかに回収される構成は「草履に泣かされるとは」「脚本うまいなあ」などと視聴者を唸らせた。
「豊臣兄弟!」とは?
豊臣秀長(仲野)を主人公に、天下人となる兄・秀吉(池松壮亮)を補佐役として支えた弟の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
桶狭間の大躍進のきっかけになったあの草履が…
この日の放送では、「本能寺の変」で、織田信長(小栗旬)が命を落とした後の物語が描かれた。織田家の重臣たちが、遠征のため京を離れた機を逃さず謀反を起こした明智光秀(要潤)は、その後の戦いを有利に進めるため、いち早く朝廷から信長に代わって畿内を治めることを認めてもらうとともに、織田勢に対抗するため、諸将に書状を送って調略を図った。
京の遊女屋に身を潜めていた小一郎は、前野長康(渋谷謙人)には、西国攻めのために備中にいる秀吉に、信長の死は明言しないまま襲撃されたことを伝える書状を届けさせ、藤堂高虎(佳久創)には畿内周辺の諸将が明智に加担せぬよう記した書状を託しつつ、信長が生きているという噂を広める。
小一郎からの文を受け取った秀吉は、信長が討たれたとの知らせをかたくなに信じようとしなかったが、信長の亡骸が見つかっていないことに気づき、信長を救出しに急ぎ京へ戻るため、毛利との和睦を決断。安国寺恵瓊(立川談春)に対し、信長が大軍を率いてこちらに向かっているという嘘を交えて交渉をまとめると、秀吉は「ただひたすらに、走って走って走って走り続けるのじゃ!」と全軍に号令した。信長の備中出陣に備えて、小一郎が途中の宿場に用意させていた兵糧や替えの馬を流用し、羽柴軍は驚異的な勢いで京への道を邁進。わずか2日で姫路城まで戻ってきた。
小一郎の情報戦に妨害され、諸将の調略が進まず焦りを募らせる光秀。羽柴軍の尼崎到達を知って孤立を悟ると、小一郎に説得されて出家し、加勢を断ったかつての盟友・細川藤孝(亀田佳明)の居城である勝龍寺城を占拠して羽柴軍を迎撃することを決意した。
尼崎城で秀吉と再会した小一郎は、信長の生存を疑わない兄を前に号泣しながら真実を告げ、秀吉も「頼むから違うと言ってくれ!」と泣きじゃくった。悲しみに暮れる2人のもとに、小一郎の息子・与一郎(大西利空)が駆けつけ、慶(吉岡里帆)と寧々(浜辺美波)から託された包みを差し出す。中に入っていたのは、足軽時代の兄弟が信長から授かり家宝にしていた思い出の草履。「草履は片方だけでは何の役にも立たん。互いに大事にせよ」という信長の言葉を思い出した2人は、その草履を片方ずつ懐に収め、信長の仇を討ってその志を継ぐ覚悟を決めた。
この草履は、第3回「決戦前夜」と第4回「桶狭間!」に登場した重要なアイテム。信長の草履を雨から守った小一郎の機転が信長の信頼を得るきっかけとなり、その後、桶狭間の戦いで功績を挙げた兄弟に褒美として授けられた。
兄弟が武士として認められた原点で、信長との絆を象徴する品といえる。その“家宝”が、「本能寺の変」後、兄弟が信長の遺志を受け継ぐ決意を固める場面で再び登場。約半年前に放たれたロングパスがこのタイミングで結実するという見事な筋書きは大河ファンたちを唸らせた。SNSには
「形見の草履…」
「やめて、あの草履じゃないの、泣く」
「草履はあかんて(涙)」
「そこであの日の草履を出すのはずるいよ(号泣)」
「それを持たせたのが寧々様と慶様なの無理(泣)」
などのコメントが殺到。
「マジの家宝になってたのね」
「草履に泣かされるとは」
「うわぁ、ここで草履! 脚本うまいなあ」
という感想も見受けられた。

